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クラシック音楽家の起業スタイルから学ぶ、 芸術の収益モデル |
written in 2013/2/17
クラシック音楽には、ロックやポップスにはない魅力や、癒しの効果もあることから、身近で聴いていたいというファン層は増えている。CDとコンサートの売上を合わせると 約500億円の市場規模だが、音楽の質は高いことから、それ以外でも市場を掘り起こすことができる。
クラシックの中でも、「室内楽」というカテゴリーは、二重奏(デュオ)、三重奏(トリオ)、四重奏(カルテット)、五重奏(クインテット)〜十重奏までの小人数で合奏するもので、レストランやサロンでの演奏に適しているため、企業や店舗が無料のコンサートを開催すれば、顧客や市民を呼び集めることができる。
音楽家にとっても、多くの人達に自分の演奏を聴いてもらうことは、練習の励みにもなり、そうした場を求めているが、なかなか機会に恵まれないことも多い。
そこで米国からは、音楽家により多くの演奏の場を与え、聴く人にもクラシック音楽の良さを知ってもらうために、新しいスタイルでの演奏会を試みている「クラシカル・レボリューション(Classical Revolution)」という団体が生まれている。
2006年にサンフランシスコで創設された同団体は、レストラン、カフェ、バー、クラブなどを会場として、室内楽のコンサートを開催している。しかし、それはクラシック特有の堅苦しいものではなく、演奏者の服装もよりカジュアルにして、リラックスした雰囲気で聴けるように工夫されている。
従来、レストランなどがコンサートを主催すると、高額のギャラを負担しなくてはいけなかったが、同団体では、来場者から 5〜20ドルの寄付を呼び掛けているのが特徴で、クレジットカードやペイパルによる決済にも対応している。また、集客についても、フェイスブックのイベント告知機能などを上手に活用する。
ロックやポップスに比べると、クラッシックは寄付収入を集めやすく、コンサートの場を提供するレストラン等にとっても、店のイメージを向上させて、知的で良質な客層を集められることから、演奏者、店、観客の三者それぞれにとって、魅力的なイベントにすることができる。
■Classical Revolution
http://www.classicalrevolutionla.org/
■カジュアルなコンサートの様子(映像)
http://youtu.be/7VWcHP3gkT8
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JNEWS LETTER 2013.2.17
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