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2013年有望ビジネスの着目点
(世界標準化する賃金相場に向けて)
written in 2012/12/29

 近年の日本がデフレに陥っている理由は、様々な面から理由を探ることができるが、政治ではコントロールできない要因として、ネット取引の普及と中国経済の躍進がある。

いまではネットを使えば、あらゆる商品を最安値で買うことができるようになったが、ネット取引(eコマース)が普及してきたのは1995年以降のこと。それと同時期から、日本向けの製品も、新興国(主に中国)で生産、加工されるようになり、中国からの貿易輸入高は1995年の頃と比べておよそ5倍に増えた。そうした動向と、日本の物価が下落しはじめたタイミングとは一致しているのだ。

《中国→日本への輸入額と国内物価の推移》

 

賃金が伸び悩んでいるのは、他の先進国にも共通した傾向だが、反対に、中国は1990年代から飛躍的に賃金水準が上昇している。法律で定められた最低賃金は1995年の頃から4〜5倍に増えているし、エリート人材がライバル企業へ転職をすると、給料が2倍、3倍に増えることも珍しくない。それでも、まだ日本の給与水準よりは安い。

中長期的にみて、中国と日本との賃金格差が無くなる均衡点まで、中国人の給料は上がり、日本人の給料は下がることになるだろう。そして、最終的には、国との国との賃金格差は無くなり、その人の経験や実力による賃金格差の時代へとシフトしていく。

《中国最低賃金の推移(月給)》

 

《職種別にみたアジアの賃金比較(月給)2010年》

 

また、尖閣問題などで日中関係が悪化してくると、中国を生産拠点としたビジネスへの影響も大きいことから、他の新興国への工場移転などを検討している企業もあるが、貿易の規模からすると、日本にとって、すでに中国は最大の取引国であり、その代替国を見つけることは容易ではないし、時間もかかる。その点では、来年以降の安部政権が、中国どのように付き合っていくのかには、注視する必要がある。

《日本の貿易上位国(輸出入の総額)2011年》

 

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この記事の核となる項目
 ●世界標準へと向かう物価と労働コスト
 ●アジア賃金相場と日中貿易の推移からわかること
 ●起業家を取り巻く資金環境の変化について
 ●クラウドファンディングが事業スタイルを変える
 ●起業者がクラウドで資金調達をする方法
 ●消費者を味方に付けたクラウドファンディング
 ●個人から生まれる製造業の新アイデアと新技術
 ●オープンソースで進化する工作マシンの影響力
 ●スマートワークで変わる「仕事」の概念
 ●エリート人材が水面下で行う副業の実態
 ●スマート化していく身近なサイドビジネス
 ●会社だけに依存しない生計モデルの薦め


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