|
資格を武器にしたスペシャリストの 新職種とフリーランス団体 |
written in 2011/9/3
フリーランスとして仕事をする人の中では、実力がある人と無い人が混交しており、顧客に対しては「自分が信頼できるプロであること」の証を何らかの形で示すことも大切。その上で役に立つのは、職務に関連したプロ資格を取得することである。
日本では、弁護士や税理士などの国家資格がプロ資格として通用しているが、米国には民間でも様々な資格団体がある他、大学や大学院でも、各分野の専門単位を履修することができる。
その中でも、金融系のスペシャリストに対する人気は高い。米国では普通の家庭でも、子どもの教育費積み立てや、余裕資金を長期投資に回す際に「ファイナンシャルアドバイザー」や「ファイナンシャルプランナー」に相談するのが一般的である。
アドバイザーとプランナーは異なる資格の保有者だが、銀行・保険会社・証券会社などの社員として勤務しているわけでなく、独立したスペシャリストとして資産運用を指南する立場のため、顧客にとっては信頼できる専門家であり、セールスマンというよりは、会計士に近い存在である。実際に、ファイナンシャルアドバイザー、ファイナンシャルプランナー、会計士など複数の資格を持って独立開業をしている人が多い。
ファイナンシャルプランナーの資格を得るには、米国証券会社の監査機関である「FINRA」が実施するストックブローカーの試験に合格した後、3週間〜3年までの訓練を受けた後に、働きはじめることができる。彼らは、法人と個人、両方をクライアントに持ち、税務を担当する会計士や、遺言状を作成する弁護士とも提携し、より良い金融商品の紹介をして個人資産の増やしながら管理することを行う。
また、ファイナンシャルプランナーとしての開業は、州によって必要な資格が異なるが、「CertifiedFinancial Planner (CFP) 」を取得することが推奨されている。CFP の資格取得者は世界で約6万人だが、彼らの平均年収は1千万円超とみられている。
■FINRA
http://www.finra.org/
■Certified Financial Planner(CFP資格認定委員会)
http://www.cfp.net/
また、心理士やカウンセラーの仕事もフリーランスとして人気がある。日本でこれらの職業は、公立の福祉団体など以外では、働き先を見つけにくいが、米国では、親子関係、夫婦関係、職場での人間関係などに悩む人が気軽にカウンセリングを受けている。また、離婚の危機にある夫婦がカウンセリングを受けたり、家族単位でカウンセリングを受けることも少なくない。
米国では、お金を支払って(州によっては、心理士資格を持つ人に支払う報酬の最低ラインが定められている)カウンセリングを受けることは定着している。米国人は、伝統的に他人に弱みを見せてはいけないという考え方があり、気持ちの落ち込みや、仕事や人間関係の悩みなど、日本なら、友人に愚痴を聞いてもらうところを、米国人はお金を支払ってカウンセラーに相談に乗ってもらうのだ。
(起業家のための成功法則一覧へ)
●日本とは異なる米国フレックスタイム制度
●フレックスタイムによる共働き世帯の時差出勤
●フリーランスの営業代行をするエージェント業
●エージェントが仲介する書籍出版の流れ
●カルチャー教室を兼ねたダイレクトセラー
●料理教室による調理用品のダイレクト販売モデル
●多様な資格制度で広がるフリーランスの職業
●プロのカウンセラーとしての独立開業モデル
●フリーランスの拠り所となる団体運営
●オープンな職場と仲間を好むコワーカーとしての就労スタイル
●リアルコミュニティとして広がるコワーキングのオフィス形態
●安全志向で増えるチキン起業とパートタイムビジネスの接点
●サービス残業請求ビジネスが変える職場のワークスタイル
●シングルタスクからマルチタスクへ変わる時間管理と働き方
●サラリーマンからフリーランスへと転身するプロの中間管理職
JNEWS LETTER 2011.9.3
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
■この記事に関連したバックナンバー
●オープンな職場と仲間を好むコワーカーとしての就労スタイル
●会社経営者より高収入を稼ぐフリーランサーの知的資産管理術
●資産運用の指南で年収2千万円の花形職業が生まれる背景
●社長よりも高収入を稼ぐスペシャリスト職の台頭と報酬体系
●雇われない働き方へと移行する頭脳をウリにしたプロ人材
|
|
|
|