起業家のための成功法則
  
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  ビジネスの売買というと、大企業のM&Aを想像しがちだが、米国では取引額が数万ドル規模のスモールビジネスが主流。副業として運営していた趣味のコミュニティサイトを売却したり、売りに出ているECサイトを購入して脱サラをする方法もある。
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ホームオフィス型スモールビジネスの価値と
副業の新発想
written in 2009/10/1

 ネット草創期の1995年頃には、サイトの所在地を示す「***.com」や「***.net」といったドメイン名にプレミアが付いて高値で取引されたというニュースが話題になった。ハンバーガチェーン、米マクドナルド社のサイト「McDonalds.com」も、元々は“マクドナルド君”という大学生が先に取得していたドメインを、同社が高額で買い取ったものだと言われている。

当時は大企業でも自社サイトを開設していなかったため、社名に該当するドメインを個人から買い取ることが各所でみられたが、そこに便乗して有名企業、有名ブランド(商標)、有名人と同じ名称のドメインを、当事者より先に取得して転売しようとする輩が急増した。これについては知的財産権侵害で禁止されている行為だ。

ただし、企業が新製品を発売するにあたり、商品と同じ名称のドメインでサイトを運営したいという理由から、既にそのドメインでサイトを運営している人から有償譲渡してもらうことは現在でも行われているし、個人がサイトを閉鎖する際に、わかりやすいドメインならプレミアを付けて第三者に売却することも可能だ。その仲介役となるのが“ドメインブローカー”と呼ばれる業者達で、高い人気が見込めるドメインを売却する際にはオークション方式で複数の買い手から入札を募る方法が採られている。

過去には「creditcards.com」が 275万ドル(2.6億円)、「seniors.com」が180万ドル(1.7億円)、「Business.com」が750万ドル(7.2億円)、「PIZZA.com」が260万ドル(約2.4億円)で取引された例がある。いずれもドメイン権利だけの取引価格だ。

もしも自分が魅力的なドメインを所有していて、それを売却したいと考えるのであれば、ドイツに本社を置くSedo(セド社)のようなドメイン取引業者が主催するネットオークションに出品することで買い手を探すことが可能だ。同社は世界21カ国語以上の言語でドメイン取引の仲介をしており、オークションの他にも、ドメインの査定サービスや、権利は保有していても使っていない遊休ドメインにアクセスすると“買い手募集”の広告が表示されるドメインパーキングサービスなども提供している。

しかしオークションで高値が付くドメインは非常に希な存在で、大半は数十ドルから数百ドルの範囲で取引がされており、ある意味、健全なマーケットとして落ち着いている。魅力的なスペルのドメインには限りがあり、それを今から入手して値上がりを期待することは難しいため、既にドメインだけで一攫千金を狙える時代ではないのだ。

そこで正攻法としては、ドメインだけなくコンテンツを含めて価値の高いサイトに育てた上で、買い手を見つけることのほうが得策だ。売りやすいサイトの傾向としては、具体的な売上のあるeコマースサイト(オンラインショップ)が人気だが、個人が運営しているアフィリエイトサイトが売りに出されているケースもある。カメラや家電などの製品評価サイトとしてコンテンツを充実させて、購入先としてアマゾンの商品ページにリンクを貼り、アフィリエイト報酬を得るようなモデルのサイトでも、売買の対象にすることはできる。
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この記事の核となる項目
 ●ビジネスブローカーから評価される中小のネットビジネス
 ●オーナー所得と商品在庫でみたビジネス(事業)の価値
 ●ネットビジネスが売買の優良案件と評価される理由
 ●ドメイン売買市場のその後とサイト売買
 ●米国における中小ビジネスの売り方
 ●ビジネスブローカーによる取引仲介モデルの解説
 ●分割払いでビジネス売買が行なわれる理由とは
 ●ネットビジネス売買の傾向と特徴
 ●副業でコミュニティを育てて売り買いするという発想
 ●コミュニティサイトを制作〜売却する副業モデル
 ●スモールビジネスが評価される時代への回帰
 ●知的人材が求めるフレキシブルワークと新たな隠れ家的空間
 ●「人材は会社の資産」という常識の嘘とプロ人材育成の商機


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