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動産換金市場で活躍する鑑定士と オークショニアの専門職 |
written in 2010/2/18
日本で「鑑定士」という職業が成り立つのは、土地や建物の評価をする不動産鑑定士の他には、リサイクルショップの買い取り担当者、質屋や骨董屋の店主、中古車買取り店の査定士などがあるが、鑑定士の仕事にはもっと多岐にわたる需要が見込めるはずである。リクイデーターにも鑑定士としてのノウハウは重要であるし、米国では鑑定のスペシャリストとして「アプレイザー(Appraiser)」という専門職も存在している。
ただし、どんなモノでも担保価値があるというわけではなく、商材の性質によって査定額には大きな違いがある。じつは、小売店が抱える衣料品は、季節や流行のピークが過ぎると換金価値が急落するため、担保品としての条件は良くない商材なのだ。
そのため、銀行が衣料在庫を担保に融資をする際には、個々の商品を細かく査定するのではなくて、帳簿上の在庫残高に対して30〜60%の融資枠を設定するというかなり大雑把なやり方だ。銀行では、衣料在庫の内容についてはノータッチのため、リクイデーターを監視役として、店の状況を常時モニタリングさせているのだ。そして、来店客数の減少や販売不振で在庫の滞留がみられるようになれば、在庫品を効果的に換金するための具体的な行動を起こす。
《リスクが大きな衣料在庫の監視システム》
その他に担保品として価値が低いのは、腐りやすい生鮮品、仕様や性能が統一されていないカスタマイズ商品や特注品などの他に、最先端の技術による特許製品なども含まれる。高度な技術をウリにした製品は、価値の評価が難しい上に、値崩れが激しいことから担保品としては不適格という扱い。これはハイテク家電やIT製品にも言えることだ。
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JNEWS LETTER 2010.2.18
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