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薄利多売から脱した
超高級品の販売で成功するための視点
written in 2007/12/20

 現代のカッコイイ男の条件として挙げられるのは、仕事がデキることが第一の条件、しかしそれだけでは肩手落ちで、本職以外でも玄人はだしの趣味や特技を持っていることが重要。どこかのオヤジ雑誌に書かれているような文句だが、じつはこれが成熟社会の中では重要なトレンドになる。いわゆる“大人の趣味”を何か始めたいと思った時に、自分ならいくらお金をかけようとするだろう?もちろん、金をかけたからと言って良い趣味ができるとは限らないし、価値観は人それぞれだから一概には決められないのだが、敢えて言うなら“百万円の予算”というのが、大人の趣味における基準値になっている。しかもそれは最初の入り口に過ぎない。

たとえば、写真を趣味にしようとするなら、中級クラス以上の一眼レフカメラを買うのはお約束だが、その価格は10万〜30万円する。さらにレンズが高くて、良いものだと1本あたり10万〜20万円。それを各焦点距離で揃えると、トータルでは 100万円くらいはかかってしまう。もちろんそこにはメーカー側の戦略があり、ハイアマチュアが食指を動かしたくなるような新製品を次々と投入している。3万円のコンパクトデジカメでも1000万画素の写真が撮れる時代だが、その5倍以上する高級一眼レフが飛ぶように売れているのだ。高級機の投入により、カメラメーカー各社は業績を盛り返している。

オーディオの世界にも同じことが言えて、携帯プレーヤーの普及によって若者は音楽をヘッドホンでしか聴かなくなった。そのため従来のコンポステレオは売れなくなってしまったが、アンプ単体で40万円近くするハイエンドオーディオの分野には根強いファンがいる。彼らの間で最近話題になっているのが「アバンギャルド・アコースティック」という新興のスピーカーメーカーで、ここの最上位機種はなんと、家一軒分の値段(約2000万円)がするのだ。さすがにこれを購入できるのは一部の上級マニアか、業務用として使うジャズ喫茶などに限られるのだが、それよりも廉価版の機種(といっても2百万円)が個人のオーディオ愛好者に売れている。5万円のコンポステレオは売れなくても、2百万円のスピーカーなら売れる、そこに現在の購買行動を読み解く鍵がある。

百万円以上の趣味商品を惜しみなく購入する顧客といっても、彼らは必ずしも富裕層というわけではない。少年時代はビートルズに憧れていた人なら、コツコツと小遣いを貯めて初めて2万円のギターを買った時の感動を覚えていることだろう。その人が50歳になった時に、当時と同じ気持ちを再び体感しようとして 100万円のギターを購入するというのは、彼の価値観からすると妥当な選択なのである。

このような消費の傾向が現れてきたのには、昔の消費意欲が旺盛だった団塊世代が経済的に余裕のある年代に入ってきたこともあるが、ネットで情報収集できる環境が整ってきたことも大きい。意外なことに百万円以上する趣味分野の高額商品が売れているのは、実店舗よりもネット通販のほうである。しかもそのショップを運営しているのは大手ではない零細業者のほうだ。つまり百万円以上の高額商材は零細ネットショップ向きということなのだが、それがどういうことか紐解いていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●フラッグシップ商品に起こり始めている異変とは
 ●商品構成におけるフラッグシップ商品の役割
 ●薄利多売から脱した超高級品の販売で成功するための視点
 ●じつはネット通販に適したフラッグシップ商品の販売
 ●ネットで高級ギターが売れるまでの集客経路
 ●ヴィンテージギターで大儲けする米国の楽器商の顧客台帳
 ●商品単価を引き上げるカスタムラインの導入プラン
 ●無在庫・受注生産型で稼ぐ「カスタムショップ」の新業態
 ●ゴルフ業界に登場したカスタムショップの新業態
 ●受注製造専門店、カスタムショップの業界構造
 ●厳選した人にしか送付されない富裕層雑誌のビジネスモデル
 ●上手に遊ばせることが急所になる大人ビジネスの仕掛け方
 ●趣味と実益を兼ねたコレクションへの投資による資産の築き方
 ●貯蓄の内訳から判断する富裕層における保守派と革新派の特性
 ●モノ売りから時間売りへの転換〜時間消費型サービスの視点


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