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  IT業界では企業に所属せずに個人事業者の立場で活動するフリーエンジニアが増えている。彼らは安定雇用されない代わりに、社員よりも多額の報酬を受けられるのが魅力。ではフリーエンジニアとして自活していくには、どんな単価設定をするのが妥当なのだろうか?
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フリーエンジニアとしての起業スタイルと
単価設定の考え方
written in 2006/4/5

 ワークスタイルが「組織」から「個」へと変化していく中で、技術系サラリーマン達の間では「フリーエンジニア」という形態で独立独歩の道を歩む人が増えている。フリーエンジニアは会社の社員としてではなく、個人事業主としてクライアント企業からの開発業務を請け負う者を指している。

企業がフリーのエンジニアを採用する理由は、各プロジェクトにおいて自社の社員が持っていない専門技術が急遽必要になり、すぐに戦力となる人材を確保したいということが挙げられる。一方、フリーエンジニアになる人の利点は、上司に縛られず自己裁量で仕事を進められるというワークスタイルと、会社員より高い報酬額にある。IT分野のフリーエンジニアとして情報システムの開発に関わる場合であれば、1ヶ月あたり70〜90万円程度の収入になることも珍しくない。そこで、サラリーマンの道を続けるよりも、フリーエンジニアとしての人生を選んだほうが得策ではないか、という新たな価値観が生まれている。

もともと、このようなワークスタイルは米国で「インディペンデント・コントラクター(IC)=独立業務請負人」として人気化しているもので、高い専門スキルを持った人であればICとして高所得を稼げることは既に常識となっている。IT分野以外でも研究職や医療分野にまで米国ではICとしてのワークスタイルが定着しつつある。

彼らと契約する企業側も、ICに対して高い報酬を支払うことに対しては積極的な姿勢を見せている。というのも、正社員を雇って保険等のコストを払いながら人材を長期的な計画で育成するよりも、割高な報酬を支払ったとしても短期のプロジェクト単位で有能なICを雇ったほうが安上がりだという試算がされているためだ。そこで、ICとして安易に独立することに対して警鐘を鳴らす労務問題の専門家も出始めている。運良く大きな開発プロジェクトに関われたとしても、その契約期間は数ヶ月単位と短い。しかも各種の保険には自己の負担で加入しなくてはいけないため、トータルで考えれば安い給料でも社員として安定雇用されていることのほうが生涯賃金は高いという考え方。これは企業側の“試算”と一致する。

そんな問題点を踏まえてサラリーマン生活を継続するとしても、専門分野の技術者として社内で高い地位を維持していくためには、相応の努力をしていく必要がある。すぐに独立の決断をしなくても、いざという時にはフリーエンジニアとして一本立ちできるだけの実力を身につけておくことが大切。そのために重要なことは「自分の単価」を意識した働き方をすることである。もともと古い時代から“手に職”のある者(職人の業界)には、各人の技術力による単価が設定されてきたが、現代のスペシャリストに対する単価の決め方には意外な商機が隠れている。
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この記事の核となる項目
 ●自分の単価を知らないフリーエンジニア達
 ●スペシャリスト職における単価の決め方
 ●レベル別にみたITエンジニアの月額単価相場
 ●単価に応じて適切な人材を探している企業側のニーズと盲点
 ●適正な単価設定に一役買うサラリーサーベイ会社の存在
 ●報酬交渉における単価相場情報の役割
 ●フリーの技術者が損をしない単価設定の考え方
 ●知財社会を担うサラリーマン技術者が独立起業を果たす道
 ●変化する雇用環境の中で求められる新賃金体系の構築支援
 ●“技術”を商品として独立していくITエンジニア達の稼ぎ方


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