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身近なM&Aで“自分の事業”を所有する
独立起業のスタイル
written in 2005/9/10

 数十億、数百億円という規模の買収になると中小の経営者には遠い世界の話のように思えるが、「会社(事業)の売り買い」は意外と身近なレベルにまで浸透し始めている。例えば、飲食店を開業したいという独立希望者が、ゼロから店を借りて内装や厨房設備等を購入すると2千万円の資金がかかるような場合でも、既に営業している飲食店の営業権を現オーナーから買取る方法なら、その半額以下の独立資金で“自分の店”を持てるようになる。

日本では、中小の商店や飲食店、工場などの買収案件を円滑に交渉、仲介する仕組みがまだ整備されていないが、M&A先進国の米国では、中小規模の会社や事業の売買は、「ビジネス・ブローカー」という専門の仲介業者を介して行うことが普及している。ちょうど街中の不動産業者を利用するような感覚で、会社や店舗を売買することができる。

中小の事業が売買取引される理由は様々だが、高齢の経営者が“廃業”という方法ではなく“事業の売却”を希望するケースや、全国展開する大手チェーン店が地方で繁盛している個人店を買収するケースもある。このような取引は不動産や中古車の売買に似ていて、売り手と買い手との間に仲介者が立って、適正な売買金額を査定して取引の交渉がされていく。

日本で「事業継承」といえば、親から子供へと会社が引き継がれていくケースが圧倒的に多いが、現代では後継者不足に悩む高齢の経営者が増えてきていることから、国内でも中小の会社や店舗を売買仲介するビジネスが成り立つ可能性は高い。
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この記事の核となる項目
 ●個人でもできる店舗買収による独立起業のスタイル
 ●店舗買収におけるビジネスブローカーの役割
 ●店舗の売却希望者に対する注意点
 ●店舗の購入希望者に対する注意点
 ●米国で急成長する中小ビジネスの売買市場と査定評価の専門家
 ●中小ビジネスの評価額を算定するための考え方
 ●サラリーマンが会社から事業を買取るM&Aの手法と事業継承
 ●従業員が会社から事業をのれん分けしてもらう新スタイル
 ●子会社の雇われ社長が親会社から独立するための仕組み
 ●退職金を活用した店舗買りによる独立起業プラン
 ●見直される"職人の仕事"と後継者育成〜事業継承に絡む商機
 ●企業の資産価値を高める"のれん代"の正体と顧客情報の関係
 ●後継者不在で廃業する繁盛店の営業権を仲介するサービスの可能性


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JNEWS LETTER 2005.9.10
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