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投下資金と利益のバランスでみる
新規事業プランの優劣判定法
written in 2005/7/19

 ビジネスの世界における“成功”の基準ほど曖昧なものはない。スポーツの世界ならば勝ち負けがはっきりしているが、会社の事業になると勝ち負けの判断は非常に難しい。仮に、創業から間もないベンチャー企業が「年商10億円を達成」と発表しても、そこまでの事業資金として年商と同額の10億円を投入していれば、その段階ではまだ「成功」とは言えない。つまり、事業の優劣は投下した資金額と利益のバランスによって決められるため、単に売上(年商)の大小だけで判断することができない。

近頃では株式投資のファンダメンタル分析(財務諸表からの分析)でも「ROE(return on Equity)」という指標が重視されている。ROEとは株主資本利益率のことを差し、当期純利益÷株主資本×100(%) によって算出される。株主から 100億円の資金を調達している企業が年間5億円の純利益を出しているなら、ROEは5%ということになる。この指標からみた優良企業の基準は10%前後といわれている。

一方、資金調達の方法が株式でなく借入金に依存する個人事業者や中小企業では「ROI(return on investment):投資利益率」という指標で考えたほうが事業プランが組み立てやすい。ROIについては過去の記事でも何度か紹介してきたが、この指標の意味を頭でイメージできるようになると、いろいろな事業案件に対しての判断基準が明瞭になってくるはずだ。
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この記事の核となる項目
 ●ROI(投資利益率)による事業プランの煮詰め方
 ●各業界のROIと資金回収期間についての解説
 ●ビジネスの中で不明瞭な事業投資額の捉え方と解決策
 ●事例:トラック運送業界における投資額と利益との関係
 ●消費者の“飽き”が狂わせる新規事業立ち上げの資金計画
 ●利益評価を惑わす数値トリックを見破る資本対利益率の考え方


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