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  中小企業の資金調達といえば銀行から借入を起こす方法(間接金融)が普通だが、上場企業のように投資家から直接資金を調達することも可能になりつつある。
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中小企業が新たに開拓すべき
直接金融による事業資金の集め方
written in 2005/6/6

 銀行業界の「貸し渋り」や「貸しはがし」という言葉を耳にするようになって久しいが、その状況は現在でも変わっていない。ひと昔前ならば、中小企業の資金繰りといえば「銀行から融資を受けること」が定石となっていたが、今ではそのシナリオに期待することはできない。それは銀行における「預金」と「融資」の関係からも認識することができるものだ。

ペイオフ制度の解禁によって、銀行が破綻した場合には預金者は最高で1千万円までしか保護されなくなったことは周知の通り。そこで各銀行は経営を破綻させないために、焦げ付く可能性のある事業融資に関しては貸出のウエイトを大幅に落としている。その代わりに、比較的安全な住宅ローンや個人ローンへと収益の柱をシフトさせている。銀行は預金者から元本を保証して資金を集めている以上、成否が不確実な事業へ預金者の大切な資金を貸すわけにはいかなくなってしまった。

では、これから企業が事業資金を調達していくためにはどうすれば良いのか?その答えは、銀行に頼らずに直接的に資金を調達していくための道(直接金融)を築くことにある。その典型的な方法が、株主を募って資金を調達すること。株式公開を実現することは、かつては大企業でなければできなかったが、現在では従業員数が三十名程度の小企業でもマザーズ(東証)やヘラクレス(大証)への上場を果たしている。将来的には「株式を公開すること」が今よりも更に容易になるだろう。

ただし、直接金融によって資金調達する道は「株式公開」のみとは限らない。要は、自分の会社(事業)に対する資金協力者をいかに作るかということだ。
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この記事の核となる項目
 ●中小企業が個人投資家に直接談判して資金を集める道
 ●中小企業が取引企業からの出資を受ける道
 ●中小企業が従業員を株主として資金調達する道
 ●中小企業が社債発行によって資金調達する道
 ●未上場企業の株をめぐるトラブルと"死に体"企業の転売ゲーム
 ●企業買収時代の防衛策として見直される「有限会社」の隠れた特性
 ●会社を倒産させないための健全な資金繰りマニュアル


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