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加速する店舗の24時間営業と
求められる深夜人件費の軽減策
written in 2003/12/1

 薬局業界では深夜・早朝帯の医薬品販売を実現させるための取り組みが活発化している。事の発端は、大手ディスカウントストアーの「ドンキホーテ」が深夜帯に、テレビ電話を通して遠隔にいる薬剤師が顧客対応をする方式での医薬品販売(配布)をスタートさせたことにある。厚生労働省では、これを薬事法違反と捉えているが、消費者側では深夜や早朝でも薬が買えることを歓迎している。業界の中の1社が規制の壁を崩して医薬品の24時間販売を始めれば、他社でもそれを追随する流れが加速していきそうだ。

ところが商売として考えれば「24時間営業」というのは、あまりうま味がない。消費者の生活習慣が深夜型になってきているとはいえ、深夜1時〜5時頃までの来店客数はかなり少ないために、営業していても採算が合わないのだ。しかしライバル店が「24時間営業」という看板を掲げれば、それに自店も追随しなくては消費者を自分の店に引きつけておくことができない。

ドンキホーテが“違法”と言われるリスクを取ってまでも「テレビ電話による薬剤師の遠隔対応」という方法を採用したのは、やはり深夜帯の人件費負担を抑えるためだと考えられる。一般の店員と比較して薬剤師の給料は高いため、利用率が高くない深夜帯は、各店舗に薬剤師を配置すると大幅な赤字になってしまう。

医薬品販売に限らず、24時間営業をする店舗では深夜帯に赤字を抱えている。それでも深夜営業を止めないのは「消費者へのサービスを充実させるため」で、今後は様々な業界で24時間営業型の店舗が増えてくることが予測できる。そこでこれらの店舗にとっては、深夜の営業時間帯はたとえ“儲からない”としても、せめて赤字にはならない営業の工夫をしていく必要がある。そこには深夜営業の自動化や、遠隔からでも可能な顧客対応の方法など、新しい仕組みが求められている。


この記事の核となる項目
 ●コンビニ店舗における24時間営業の採算性
 ●深夜営業にかかる人件費と損益分岐点となる来店客数の解説
 ●24時間営業に求められる店舗運営の自動化と安全対策
 ●副業として考える24時間コイン式駐車場経営の採算性


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JNEWS LETTER 2003.12.1
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