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富山の薬売りからヒントを掴む 先用後利の新ビジネスと顧客管理術
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written in 2003.6.4
日本で古くから継承される伝統的マーケティングとして「富山の薬売り」が事例に上げられることは少なくない。常備薬の入った薬箱を無料で各家庭に配置し、薬商が定期的(3ヶ月〜6ヶ月に一度)に配置先の家庭を巡回して薬の使用状況を確認、補充して、顧客は使用した薬の代金だけを支払うというシステムである。このように商品を先に配布しておいて、実際に利用した分だけ料金を徴収する販売手法は「先用後利(せんようこうり)」と呼ばれている。
いまから 300年ほど前に、先用後利による薬の販売手法が考案されたことによって、日本国内で「配置薬」という市場が確立した。現在では配置薬(置き薬)の市場規模は約540億円にまで成長し、その中の 50%以上のシェアが富山県の業者によって占められている。先用後利の仕組みであれば、新規顧客の開拓〜固定客の管理がしやすいという利点がある。医薬品に限らず、さまざまな業界、分野において先用後利の手法を取り入れることによって新しいビジネスを生み出すことはできそうだ。
人間用の配置薬にヒントを得て、新しい動きとして注目しておきたいのが「ペット向けの配置薬」である。動物医療の分野においては急病時の救急制度が整っていないため、自宅で可愛がっているペットが急病になった時のために医薬品(ペット用)を常備しておきたいという飼い主は少なくない。そこでペット用の各種医薬品をセットにした“配置薬”をペットを飼う家庭に無料で設置し、サービスマンが定期的に各家庭を巡回、医薬品の補充をしながら使用した分の料金を徴収するサービスも登場しはじめている。
●有望な未開拓市場:ペット向けの配置薬サービス
●オフィス・事業所向けの消耗品配置サービス
●配置販売ノウハウの核となる顧客管理の手法
●自動販売機を活用したビジネスの仕組みと採算性〜参入ポイント
●法人需要を狙うオフィスコーヒーサービス(OCS)開業ノウハウ
JNEWS LETTER 2003.6.4
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