弁護士費用の詳細は日本弁護士連合会の報酬規定により決められている。金銭的なトラブル解決の訴訟では、仕事を引き受けることで必ず受け取る「着手金」と、仕事が終了した時点で、成功度に応じて受け取る「報酬金」とに弁護士費用が分かれる。
<通常訴訟の弁護士費用>
依頼主の経済的利益の額 着手金 報酬金
・300万円以上の部分 ------------------> 8% 16%
・300万円超〜3000万円以下の部分 ------> 5% 10%
・3000万円超〜3億円以下の部分 -------> 3% 6%
・3億円超の部分 ---------------------> 2% 4%
知人に貸したが返済されない1000万円を訴訟で取り返す場合には、着手金として1000万円の中の300万円に対して8%、残りの700万円に対して5%が算定される。
◎ 1000万円訴訟の着手金=(300万円×8%+700万円×5%)
= 24万円+35万円
= 59万円
そして裁判の結果、800万円が依頼者に返ってきた場合には、報酬金として800万円の中の300万円に対して16%、残りの 500万円に対して10%が算定される。
◎訴訟の成果 800万円の報酬金=(300万円×16%+500万円×10%)
= 48万円+50万円
= 98万円
●弁護士費用=着手金(59万円)+報酬金(98万円)= 157万円
つまりこの訴訟による弁護士費用は着手金と報酬金を合わせた157万円(59万円+98万円)ということになる。
ただし、同じ1000万円の訴訟でも案件によって難易度が異なるために、この費用に対して上下30%の増減幅が認められている。よって1000万円の訴訟による弁護士費用の下限は109.9万円、上限は204.1万円ということになる。
弁護士の報酬は依頼者の「得られる利益」に基づき算定されるのがポイントだが、この仕組みはSOHOが仕事を請け負う際の料金設定にも応用が効くはず。成功報酬的歩合料金が適用できるのはSOHOワークの中でも比較的高度な仕事に限られるが、自分の手掛ける仕事がそれに該当すれば、あらかじめ成功報酬のレートを設定しておくのも良いだろう。