起業家になるためのノウハウ集

     
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読

配信先メールアドレス



JNEWS MENU

トップページ

ビジネスニュース

ネットビジネス事例
  ・海外サイト編
  ・国内サイト編

JNEWS LETTER
  ・2週間無料体験
  ・正式購読案内
  ・バックナンバー
   (会員専用)
  ・運営ノウハウ
  ・FAQ:よくある質問
  ・会社案内

起業家になるための
 ノウハウ集

ビジネスイベント情報

SOHO
 インターネットワーク

起業家
 プレスリリースボード

サイバーマーケット
 リサーチ

社員のやる気を引き出す賃金体系
「年俸制」の研究
written in 1999.4.2

 企業経営にとって最も大きな負担となるのが人件費。右肩上がりの日本経済が作り上げてきた「年功序列型」の給与体系は皮肉にも、景気悪化のためにリストラ、転職に追い込まれたビジネスマン達の新しい職探しに大きな足かせとなっている。

 年齢を重ねる毎に給料が上昇していく年功序列型の給与体系を採用している企業では30歳代以上で中途入社を希望してくる人達には極めて厳しい審査をおこなう。これは基本給が年齢毎に設定されていて、年齢が高ければ能力の優劣に関わりなく、高い月給を支払わなければならないため。

 一方、給与体系に年俸制を導入している企業は比較的中途入社がしやすい。年齢よりも仕事の成果に応じて給料を設定することができるために、やる気さえあれば中途入社のハードルを下げて、入社後にじっくりと実力を判断したり育てることができるためだ。

<年功序列型給与体系の構造>

               ┌─[基本給](職能給+年次給)
      ┌─[月給]───┼─[役職手当]
      │        └─[住宅、家族手当]
      │
 [年収]─┼─[賞与]───┬─[固定額]
      │        └─[実績による変動額](10〜20%)
      │
      └──────────[通勤手当]

  ※給料の変動要因が少ないため実力による差が付けにくい。

 「終身雇用」という考え方が無くなる今後の企業経営は、ベンチャー企業、大企業問わず年俸制導入は避けては通れない道である。しかし「年俸制の仕組み」については各社様々で、今のところは「年功序列+年俸制」といった緩やかな体系を採用している企業が多い。


年俸制の仕組みと問題点

 完全年俸制では年収をすべて一本化してしまい、その金額を月額給与と賞与(ボーナス)に分散していく。例えば年俸850万円と決まれば、それを17ヶ月に分散して毎月の給与が50万円、夏冬のボーナスで各2.5ヶ月分の100万円の支給ということになり、住宅・家族手当は年俸内に含まれる。(通勤手当は別途支給)

 ただし完全年俸制の場合は1年間の収入が固定化するために、年度中における社員の自発的努力を引き出しにくいという欠点がある。そのため月額給与部分だけを年俸制とし、賞与は当期の実績に応じて変動していくインセンティブ制を採用する方が業績向上につながるようだ。

 年俸制のメリットは各社員がどれだけ業績に貢献したか、これから貢献してくれるかの期待度、により年俸をアップできる反面、実績が出せなかった社員に対しては簡単に年俸をダウンさせることができる点にある。しかし実際には社員側にも安定した生活をしていく権利があるため年俸の変動幅は最高でも20%程度に抑えられるのが一般的。すると下記のような年俸序列が生まれる。

<役職による年俸の変動幅>
 (万円)  700    800    900    1000    1100   1200
・係長 ├─────────┤

・課長       ├──────────────┤

・部長               ├────────────────┤

 業績の良い係長は、業績の悪い課長よりも高い年俸を得る。同じく業績の良い課長は業績の悪い部長よりも高い年俸を得るわけだ。これなら年次が低くても優秀な社員が、上司より高い年俸を与えられても社内全体が納得し、各自の仕事に緊張感が生まれる。

 また、他社から転職してくる40歳の人材を課長職で向かえる場合にも、最も下限の年俸750万円からスタートしてもらい、入社1年間で実績を出すことができれば翌年は20%アップの年俸900万円にまで上昇させる。逆のパターンなら係長に降格させて年俸も下げることになる。これにより入社当初には的確に能力を判断できない中途採用社員も積極的に活用することが可能だ。


年俸制導入と時代背景

 給与体系の中のインセンティブ要素を高めて「社員のやる気」を引き出すのが年俸制の目的と言われるが、企業側では年俸制によって「賃金をダウンさせる仕組み」を導入することで無駄な人件費(実績が伴わない社員の賃金)を削減することにも大きな目的がある。

 団塊の世代といわれる人達は45歳を過ぎ、企業にとって最も人件費負担の大きな世代に突入している。従来通りの年功序列型を続けていたのでは、人数が多いだけに彼等の人件費が経営的にも支障をきたす。また、それより若い世代の有能な社員に「順番待ち」してもらうことでも、若手に期待できる利益を喪失していることになる。この状況をオープンに改善するためには年俸制導入が最もわかりやすいのだ。

[世代別人口分布]
1947〜1952生(1453万人) +***************************** ←団塊の世代
1953〜1958生(1025万人) +********************
1959〜1964生( 981万人) +*******************
1965〜1970生(1081万人) +*********************
1971〜1976生(1189万人) +*********************** ←団塊ジュニアの世代
1977〜1982生( 975万人) +*******************
1983〜1988生( 847万人) +*****************
1989〜1998生( 732万人) +***************
            (*=50万人)

<年俸制導入によるメリット・デメリット>

◎社員全体に業績主義、経営者意識を持たせることができる。
◎社員の活性効果が期待できる。(優秀や社員は伸び、そうでない社員は去る)
◎社員の公正な評価をすることが可能となる。
◎他社からの有能な人材を集めやすい。
●年俸ダウン時における社員側のモチベーションが低下する。
●社員の収入が不安定になり生活設計に影響を与える可能性がある。
●1年間の業績主義により短期戦略が評価され、
 長期戦略が評価されない可能性がある。


■JNEWS LETTER関連情報
JNEWS LETTER 98.12.21
<給料の3倍が基準・従業員が稼ぐべき目標売上額の仕組み>
https://www.jnews.com/mem/back/1998/199812/j981221.html
※バックナンバー用ID、PASSWORDを入力してご覧ください。


これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年4月2日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
JNEWS LETTER 2週間無料体験購読
   配信先メールアドレス



Copyright(c) 1996-2001 Japan Business News