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競合との差をつけるブランド化戦略の進め方
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written in 1999.3.5
高価なブランド品を身にまとうことがバブル全盛期における成功者のステイタスだった。バブル当時の成功者達の面影を今見つけることは難しいが、ブランド品の人気は不況が続く現在でも根強いどころか勢いを増す気配さえある。
最近の消費者がブランド品を好む理由としては「品質がしっかりしている」「廃れることなく長く使える」というように本物志向を追求している傾向があり、信頼性の高いブランドであれば割高でも納得して購入する人達が増えている。
メーカーならどこでも自社の製品がブランドイメージを確立して高い価格で取り引きされることを望んでいるが、簡単にブランドイメージは形成されない。ブランド戦略を具体的に成功させるためには、どの様な工夫や仕掛けが必要なのかを考えてみたい。これは物販業に限らず様々な事業の差別化戦略としても活用できるノウハウだ。
ブランド構築のメリット
メーカーや小売業者にとって最もわかりやすい成長指標は「売上高」であるが、これは乱高下が激しい。売上が伸び始めた段階で必ず競合が出現するために価格競争が始まり、「売上高は伸びても利益が落ち込む」という経営的に芳しくない状況に陥る。
これは消費者側が製品、商品の優劣を「価格差」だけで判断している場合に多い傾向だが、販売する側としては価格以外にも商品に対する性能や信頼性、付加価値を消費者に理解してもらって、総合的な視点から、購入するか、しないか、を判断してもらいたいもの。そのためには商品の知名率を高めて価格以外の性能や特徴について、消費者側に正しい知識を植えつけたい。これがブランド構築の目的だ。
商品が消費者側に「良いブランド」として認知されると業者側には下記のような具体的メリットが生まれる。
●固定客を確保することができる。
・長期的な売上の見通しが効くようになる。
●競合他社との価格競争から抜け出すことができる。
・利益率が上昇する。
●商品やサービスの信頼性が高まる。
・品質保証による集客がしやすい。
●業者間の取引が円滑化する。
・仕入業者との交渉、新規店舗出店に関する交渉などがしやすい。
・消費者間に浸透したブランドイメージにより新規事業展開がしやすい。
●商品寿命が長くなる。
重要な先駆者メリット
インターネット業界ではよく「先駆者メリット」「先駆者利益」という言葉を耳にする。これは新しいカテゴリーの市場を新規開拓することにより、その分野の知名率を早い段階で高めてしまえば、その後、同等の競合が現れても大きくシェアを崩されない性質を意味する。
現在、インターネット上で最も成功しているサーチエンジン、ディレクトリーサービスといえば"Yahoo!"であることは間違いないが、これこそ先駆者メリットの代表事例だ。機能的には斬新で高機能なサーチエンジンが多く出現しているにも関わらず、"Yahoo!"がナンバーワンのシェアを常に維持しているのは先駆者だけが持つ優位性に他ならない。
この傾向は業界業態問わず共通している。ソニーが1975年に新しいカテゴリーの製品として投入したヘッドフォンステレオ「ウォークマン」の大ヒットにより、その後、他社でも類似商品を市場に多数投入した。しかし録音媒体がカセットからMDに変わった現在でもウォークマンのマーケットシェアは駆逐されることなくトップの座を保っている。シャープが1993年に発売したザウルスも「携帯情報端末」という新しい市場を開拓すしたことで、その後のシェアを確固たるものにしている。
もちろん他社との競争により性能や品質の向上に努める必要はあるが、その結果、同業他社の製品との間で大きな性能格差が見られない場合には、一番最初にブランドシェアを確立した企業が何十年にもわたり優位性を維持し続けるのは、過去の経済史が教えている経験則である。
ブランド構築のための実務とは
長い時間をかけて商品や会社の信用を消費者心理の中に植えつけていくことが真のブランド構築法と言えるだろう。しかし競合相手も多く、製品ライフサイクルが短命化傾向にある中では戦略的にブランド・イメージを市場内に浸透させていく手法も不可欠になる。これはホームページを運営する際にも意識しておきたいノウハウだ。
<差別化の焦点>
今は様々な「物」や「サービス」が溢れている時代だ。その中で独自のブランドイメージを作り上げていくためには他社製品とは明確に差別化されたポイントが必要になる。差別化させるための訴求点は以下の通り。
┌─→[性能・機能性による差別化]
├─→[価格による差別化]
●差別化の訴求点───┼─→[流通経路による差別化]
├─→[販売顧客層による差別化]
└─→[商標、特許等の法的な差別化]
例えば化粧品の場合なら、すべての製品が1カテゴリーとしてブランドの優劣を決定するわけではない。「女子高生をターゲットとしたブランド」「18歳〜24歳をターゲットとしたブランド」「25〜35歳をターゲットとしたブランド」「35歳以上をターゲットとしたブランド」と顧客の年齢層別に市場が形成されているために、これだけでも4つの参入部門がある。その他、「直営店でしか販売しないブランド」「通信販売専用のブランド」など流通経路による差別化も可能で、切り口次第で今後も更に新しい市場が登場してくるはずだ。重要なのは狭い市場の中でも構わないからナンバーワンのブランドシェアを獲得できるかどうかだ。
<ネーミング>
差別化のポイントが絞れた段階で次に行う作業がネーミング。大企業では専門の企画会社に委託してターゲットする顧客層が最も認知しやすいネーミングを市場調査データなども参考にしながら決定する。そのネーミングをベースにロゴマークが決定して商標登録されるという流れだ。
<パッケージ>
商品を梱包するパッケージ・デザインもブランドイメージの形成に大きく貢献する。本来、パッケージは商品を保護するのが目的だが、販売店の店頭で顧客が他社製品と比較検討する場合の判断材料としてパッケージが大きなウエイトを占めている。
インターネットビジネスの場合にはホームページのデザインがパッケージに該当する。良いコンテンツに、良いネーミングを付けて、良いパッケージに載せることがブランド戦略の基本となるわけだ。
ブランドの管理と育て方
商品・サービスや企業自体が成長していく過程には法則が存在している。それを確認するための指標となるのが「市場浸透速度」と「リピート率」である。市場浸透速度は市場内でシェアが高まっていく速さを表し、リピート率は新規顧客がその後も購入してくれて固定客化する確率である。
理想的なのは市場浸透速度が速くてリピート率が高いパターンだが、そんなに上手くはいかないもの。本当に良いブランドというのは市場浸透速度はジリジリとしたペースで遅いが、リピート率が通常の商品と比べてかなり高いという特徴を持つ。
長期的なブランドイメージを確立したい企業の中には、「市場浸透速度(売上増加速度)」が速すぎることを気にする事もある。ブームに乗って「にわか顧客」が増加すれば市場浸透率は急激に高まるものの、これではリピート率が追いついていかない。「にわか顧客」の中に「本物の顧客」が埋もれてしまうようでは良い顧客が逃げてしまうことになる。ブランド育成という視点に限らずビジネスには適正な成長スピードというのもが存在している。
<ブランドの成長パターン>
↑ ☆-------> 理想的な成長モデル
│ ☆
リ│ └──────────→ニッチ・ブランドとして確立
高ピ│ (商品寿命が長い)
↑││
↓タ│
低││
率│
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│ ☆-------> ブランド育成に失敗
└──────────→ (商品寿命が短い)
市場浸透速度
(遅い←→速い)
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年3月5日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
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