モノを使い捨てにする生活が見直される風潮の中、 アパレル業界でも、気に入った服をできるだけ長く着る「スローファッション」が支持されて、新興のスローファッションブランドが台頭してきている(JNEWSについてトップページ
使い捨て消費の見直しで支持されるスローファッション

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JNEWS会員配信日 2020/1/25

 使い捨て消費を見直す風潮は、ファッション業界にも波及してきている。アパレル業界の変遷として、1990年以降はバブル経済の崩壊により、高級ブランドの人気が低迷して、世界的なサプライチェーンの構築により、安価な服を提供していくファストファッション(H&M、Zara、ユニクロなど)が急成長していった。

しかし、安価なファッションの流行は、シーズン毎に服を使い捨てていく消費文化を生み出すこととなり、大量に廃棄される古着が新たな社会問題になっている。
自宅のタンスにも、数回着ただけで眠っている服が多数あり、それをリユースできるルートも確立していない。

《不要になった衣類の処分方法(国内)》

環境意識が高い消費者の中では、できるだけ長く着続けられる服を求める風潮が高まっており、「スローファッション」と呼ばれる、新たなファッション文化が浮上してきている。スローファッションの特徴は、耐久性の高い自然素材を使い、伝統的な製造工程で作られていること。一方で、服のデザインは、流行による劣化が少なく、年間を通して長期で着られる季節性の無いものが好まれている。

スローファッションの具体例としては、1991年に東京で英国人の女性が創業した「People Tree(ピープルツリー)」というアパレルブランドがある。日本市場トレンドや流行に合う衣料品やファッション雑貨の商品企画を立てた後、手織り、手編み、刺繍などの伝統技術を持つインド、バングラデシュ、ネパールなどのパートナー業者に対して、商品の生産委託をしている。

これら新興国の中小製造業者は、担保価値のある資産を持っていないケースが大半で、現地の金融機関からは年率15~20%の高い金利で運転資金の調達をしている。そこで、People Treeは発注代金の一部を前払いすることでパートナー業者の資金繰りを軽減させ、彼らとの信頼関係を築いている。また、日本の市場で通用する服を作るため、製造工程の技術指導も行っている。

このビジネスモデルは、新興国の働き手に適正な利益を還元するフェアトレードの仕組みとしても評価されて、2013年には世界のフェアトレード団体(WFTO)が定めた「フェアトレードの10の指針」をクリアーして認証マークを取得、現在は、英国をはじめ世界の500店舗で商品が販売されている。

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