コロナ禍で成長するアパレル古着の回収再販ビジネス
消費者の立場では、商品に含まれる成分や素材、流通経路、広告マーケティングの方法、環境問題への配慮まで、透明性が保たれたブランドを好む傾向が、2021年以降はさらに高まってくることが予測されている。
同じ価格帯の商品を比較検討する上でも、広告宣伝や流通コストを省いて、高品質の商品を提供するブランドの支持率は高く、リピーターも付きやすい。一方で、売れ残り在庫や、顧客から返品された商品が、どのように処分、再利用されているのかも、消費者の関心事となっている。
コロナ禍では、ファッション業界も大きなダメージを受けたが、商品の製造→販売→回収→再利用までをトータルで考えたビジネスモデルへの転換が求められている。その中で注目されるのが、新たな古着ビジネスの仕組みだ。
スポーツ用品ブランドのReebok(リーボック)では、古着オンライン再販業者「thredUP」との提携により、古着回収のプログラムを2020年4月から実施している。
消費者は、自宅のクローゼットに眠っているコンディションの良い衣類をthredUPに送ると、Reebokのロイヤリティポイントが与えられて、Reebok製品を購入する際に利用できる。回収された古着は、thredUPが再販売するか、責任を持ってリサイクルされる。
これは、アパレルブランドが消費者の古着を下取りして、自社の商品販売に繋げる「古着回収×新品販売」のビジネスモデルとして、他のアパレル業者や百貨店にも広がり始めている。
thredUPの試算では、2019年の時点で古着市場は70億ドルの規模だが、2029年にはファストファッションの市場規模を抜き、440億ドルにまで成長すると予測している。アパレルブランドにとっては、新品の服と古着が共生して、そこから利益が得られる仕組みを作ることが、持続可能性を追求したビジネスになる。新商品を次々と発売して、使い捨てを促すようなビジネスモデルは、過去のものとなるだろう。
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