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EV充電カード会員を起点とした店舗の集客マーケティング

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JNEWS会員配信日 2019/12/11

 中国や米国の動向では、電気自動車(EV)充電サービスの料金設定は、国や自治体が上限価格を定めているため、充電料金だけで黒字化することは難しい。しかし、小売業やサービス業の商業施設にとって、EVの充電設備は、消費者を集客する効果が高いことから、充電サービスをマーケティングのツールとして積極的に活用するのが賢い、という見方がされている。

米国の充電スタンド設置業者「ChargePoint」の事例レポートでは、充電スタンドには、EVドライバーの来店客数を増やすこと、店内での滞留時間が長くなること、客単価が上昇するなどの効果が報告されている。

カリフォルニア州にあるスーパーマーケットがレベル2(普通充電)の充電スタンドを設置しているケースでは、充電利用者がスーパー店内で買い物をする時間が平均72分となっており、一般客の平均滞留時間(50分)よりも長い。そして、店内の滞在時間1分あたりで約1ドルの購買効果が認められている。つまり、EV充電で店内滞留時間が12分長くなれば、12ドルの客単価向上になる。

ChargePoint

滞在時間あたりの購買力は、店舗によっても異なるが、「1分あたりの購買力×EV充電による店内滞留時間」を算定すれば、充電スポットの提供によるおおよその費用対効果を把握することは可能になる。200Vの普通充電は、1時間でおよそ3kWhのバッテリー充電ができるため、1kWh=30円とすると、店舗が負担する電気代は90円。これを集客コストと捉えれば、他の広告マーケティングよりも費用対効果は高いという考え方もできる。

日本でも、EVドライバーは、常に充電がしやすい場所を探している。その中で、イオンが無料のEV充電サービスを提供している。急速充電は30分で300円の料金がかかるが、普通充電は1回60分が無料で利用できる。ただし、充電時の会員認証には、電子マネー付きWAONカードが必要になるため、イオンのカード会員獲得に繋がっている。

イオンのEV充電ステーション

EV充電ができる施設は、コンビニ、家電量販店、ホームセンターなどにも広がっているが、有料・無料の利用体系は、それぞれ異なっている。EVチャージマーケティングでは、充電設備の認証システムに独自の会員カードを利用したり、毎月一定額の買い物をする顧客に限定して、無料充電の権利を提供することも可能だ。

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