被災地の復興と雇用を生み出す防災ツーリズム
JNEWS会員配信日 2017/11/30
地域経済が衰退する要因には災害リスクもある。大地震で直接的な被害を受けた地域の他にも、ハザードマップ上で示された津波の到達予測区域にあたる全国の沿岸部は、ほとんどの地域で不動産価値が下がっている。
大きな災害が起きれば、地域の経済にマイナスの影響が生じることは必至だが、それを逆手に取った観光ビジネスが海外では開発されている。これは、「Disaster tourism(災害観光)」と呼ばれるカテゴリーの観光ビジネスとして注目されている。
ウクライナにある「SoloEast Travel」は、1986年に史上最悪の原発事故を起こしたチェルノブイリ発電所の周辺を専門にガイドする旅行会社で、ゴーストタウン化している街の様子を見学したり、事故現場となった原発4号機付近にまで近づくことができる。現地ツアーの日程は1~2日間で、放射線医や科学者をガイドとして付けるオプションも用意されている。ツアーの価格は、英ロンドンから現地までのプランで、1人あたり379ポンド(約5.6万円)~の設定。
ツアーの参加者は、研究者や企業視察の他に、個人の観光客も含まれる。この旅行会社は、チェルノブイリ原発の見学ツアーとして有名な存在で、日本からのウクライナツアーでも、オプショナルツアーとして6万円前後で組み込まれている。
ひとたび大災害が発生すれば、住民は家と仕事の両方を失ってしまう。それでも生きていくためには、日銭を稼げる職を探さなくてはいけないが、他地域から訪れる視察者に向けたツアーガイドは、最も早く収入が得られる手段になる。災害をビジネスにすることには批判の声もあるが、そこからガイド役の雇用を増やしていける意義は大きい。
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