欧州に広がり始めている「リペアフェ」は、公共スペースや空き店舗などを活用して開催されるDIY修理のコミュニティで、壊れた家電製品などを持ち込むと、ボランティアの参加者に無料で直してもらえたり、修理技術を教えてもらうことができる。
世界に広がるリペアカフェの仕組みと役割

JNEWS会員配信日 2017/3/31

 「RepairCafe(リペアカフェ)」は、2007年にオランダ在住のマーティン・ポストマという女性によって考案された。彼女は、環境問題をテーマにしたフリーのジャーナリストで、廃棄物を減らすためのテストモデルとしてアムステルダムに、世界初のリペアカフェを開業したところ大成功を収めた。

活動の規模が爆発的に大きくなったことで、2011年からは「リペアカフェ財団」を設立して、オランダの宝くじチャリティ財団、衣料リサイクルの慈善団体、接着剤メーカー「ヘンケル」などの資金提供を受けながら、各地の市民団体などにリペアカフェの開業マニュアルを提供する事業を展開。現在は、オランダの他にも、英国、ベルギー、ドイツ、フランス、米国などで1246ヶ所のリペアカフェ施設が運営されている。


リペアカフェは、地域の公共スペースや空き店舗などを活用して、「モノの修理」をテーマにしたリアルなコミュニティが作られている。“カフェ”の名称が付いているが、飲食店が併設しているわけではなく、家電製品、自転車、玩具、衣料品、家具などの修理ができる人と、修理を依頼したい人が、気軽に出会える拠点を意味している。

修理を担当するのもボランティアの参加者が中心で、リペアカフェ内では、様々な修理技術が共有されている。そのため、修理代金の請求はされないが、部品代やコミュニティの運営維持費としての寄付が行われている。

原則として各家庭への出張サービスには対応しないため、冷蔵庫や洗濯機など、大型の修理には適していない。しかし、リペアカフェで知り合った、“修理が得意な人”に、個人的な依頼をすることはあるようだ。また、コミュニティを通じて、信頼できる修理会社の情報を得ることもできる。

リペアカフェは、プロの修理業者と敵対するものではなく、一般市民に壊れた製品を修理して使うことへの関心を高めてもらうことで、営利のリペアビジネスも活況になるような循環モデルを目指している。難しい作業についてはプロの修理業者への送客(顧客紹介)も行っている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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