水産物の価値を高めるトレーサビリティと持続可能な漁業
JNEWS会員配信日 2017/1/25
漁師との直接取引が広がり始めている要因には、新鮮な魚を安く購入できるだけでなく、魚の安全性が確認しやすいことも大きい。スーパーで売られている魚にも、産地表示はされているものの、合法的に偽装ができる方法は存在している。
たとえば、同じ水域で収穫された魚も、水揚げをする漁港によって“産地”を変えることができる。養殖でも、A県でふ化させて育てた稚魚を、B県の養殖池で育成して出荷すれば「B県産」として売ることができる。水産物のブランド価値は産地によって大きく異なるため、このような産地変更は一般的に行われている。
しかし、消費者が求めているのは、どの海域で、どんな漁師が収穫、養殖した魚なのかという情報であり、そこを正確に伝えることができれば、これまでは知名度が低かった魚種でも、商品価値を高めることができる。
米国の「sea to table」では、漁師の漁獲情報をリアルタイムで入手して、各レストランからの注文をダイレクトに受け付けている。その情報管理には、クラウド型の業務管理システム「NetSuite(ネットスイート)」が使われている。
その日に収穫された魚の情報は、漁師のスマートフォンから入力され、NetSuiteのeコマース機能によって、提携先のレストラン(600店舗)が即時注文できるようになっている。魚の出荷手配~配送状況についても、クラウドサーバー上で管理できるため、産地偽装がされる余地の無い、信頼性の高いトレーサビリティ(流通経路の追跡)を実現することができる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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