JNEWS会員配信日 2015/3/14
都会の大企業が、地方在住の有能な人材に仕事を発注する「ルーラル(田舎)アウトソーシング」の形態が、2010年頃から米国で登場している。
特に、システムエンジニア、ウェブデザイン、プログラマーなど、都市部の給与水準が高騰しているIT関連の職種では、地方の人材を活用すると30〜60%の人件費が節約できると言われている。
ただし、フリーランス人材との直接取引は、人材の選定や教育など、手間のかかる作業は多いため、ルーラルソーシング専門の人材会社が仲介する仕組みが確立してきている。
具体例として、 Rural Sourcing Inc(ルーラルソーシング社)は、理数系の教育に力を入れている、地方大学の近隣に、システム開発のセンターを作り、ITスキルの高い人材を採用して、クライアント企業の仕事を担当させている。センター内には、地理的に離れたクライアントと円滑にコミュニケーションができるビデオ会議システムや、コラボレーション機能が完備されている。
現在は、ジョージア州、アラバマ州、アーカンソー州にシステム開発センターを設置しており、今後もクライアントの増加に応じて、地方での開発拠点を増やしていく方針。
給与体系は、実力に応じて基本給とボーナスが増えていく仕組みで、福利厚生の面では、健康保険や年金制度に加えて、職場が田舎であるこの利点を活かした良好なワークライフバランスが、都会のオフィスには無い付加価値となっている。
■Rural Sourcing Inc(RSI) http://www.ruralsourcing.com/
■RSI開発センターが紹介されたニュース映像 https://youtu.be/toRAZYEPZys
これまではITビジネスの拠点から外れていた、米国南部の田舎町には、ルーラルソーシングを手がけるベンチャー企業が多数登場してきている。ニューヨークやロサンゼルスなどの都市部と比べると、ソフトウエアの開発コストを大幅に下げられるためだが、品質の面でも劣っているわけではない。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●ローカル人材を活用する国内回帰の視点
●地方IT人材によるルーラルソーシング
●大学との提携が鍵となる優秀人材の獲得
●安売りから国内ブランド再生への転換モデル
●ローカル投資に適した地域を見つける視点
●国境を越えて医療旅行者を取り込むメディカルツーズム
●メイド・イン・USAをブランド化する米国製造業
●都市−田舎の格差を埋めるルーラルビジネスへのマネー環流
●未来生活で浮上する医・職・教のキーワードと田舎暮し市場
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.3.14
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