環境ビジネス・エコビジネス事例集
  
Top > 環境ビジネス・エコビジネス事例集
 
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter

RDF

twitter

Google

WWW を検索
JNEWS.com を検索
量り売りへ回帰する小売業の
顧客サービスと新オーナー制度
written in 2009/8/17

 容器を使い捨てにしないということでは、量り売りを希望する消費者も増えている。商品の購入代金として、高価な容器代を何度も支払うよりも、持参した容器に必要な分量だけを、その都度量り売りしてもらったほうがリーズナブルでエコロジーだという発想へと回帰しているのだ。量り売りは小売店の手間がかかるため、新サービスとして導入することには抵抗感があるが、考え方によっては店の経営を立て直すキッカケにすることもできる。

もともと商品の容器には、ブランドや品質の高さを表示する役割があるが、アイテム数が増えてくると過剰な在庫が積み重なり、逆に在庫一掃の安売りで商品価値を落としてしまうデメリットがある。そこで量り売りを導入すると、店側では在庫管理の負担が軽減されて、消費者は同じ店で何度もリピート購入をするようになる。

というのも、量り売りでは商品の品質をパッケージで確かめることができないため、信頼できる店が見つかれば、継続的に利用しようとする意識が強くなるためである。日本でも昔は、味噌、醤油、酒類などを樽から量り売りするのが一般的だったが、個人商店からスーパーマーケットや量販店へと流通網が変化したことで、工場から出荷された状態で品質が一定に維持されることが要求されて、量り売りが次第に衰退していった歴史がある。

しかしエコの観点や他店との差別化により、再び量り売りが見直されるようになってきた。コンビニでも手軽に酒が買えるようになった中、個人経営の酒屋では、日本酒や焼酎を樽から量り売りする新サービスに生き残りをかけている。酒屋としての目利きによる樽単位での仕入は、多品種を揃えることはできないものの、コンビニでは販売されていない“こだわりの酒”を売ることができる。こだわりの中には「味」の他にも、防腐剤や添加物を含まない「安全性」という切り口もある。

ただし酒樽の品質管理は店主の責任によって行なわれ、売れ足によっても風味が劣化する早さは異なるため、どの酒屋でも量り売りができるというわけではない。逆に「あそこの店で買った酒は上手い」という評判が立てば、遠方からのリピート客も付くようになる。購入前に味見や試飲ができるのも、量り売りならではの特徴だ。

実際に欧州では、従来からの商品を量り売り方式にすることで急成長を遂げている企業もある。その中の一つ、ドイツのフォム・ファース社が量り売りの商材として着目したのは「ワイン」だ。ドイツではビールやウイスキーを量り売りしている店は多い。しかしフォム社が始めるまでは、ワインはボトル単位の販売が当たり前で、樽から量りすることはなかった。

しかしフォム社も最初から量り売りでの成功を狙っていたわけではなく、商品の仕入れに失敗して不良在庫を抱えてしまった経験から、瓶から樽に移し替えて、顧客が自由に試飲もできるようにしたところ、思わぬ反響を生んだことが量り売りビジネスへ転身するきっかけになっている。
環境ビジネス・エコビジネス事例集一覧へ

この記事の核となる項目
 ●マイ水筒ユーザーを優良顧客にする方法
 ●マイ水筒ユーザーに向けた給水サービスの狙い
 ●量り売りへと回帰する小売業のビジネス
 ●ボトルオーナーから樽オーナーへの飛躍
 ●樽オーナーになるための共同購入グループ
 ●ゴミが無くなる循環社会に向けたゴミ箱の役割
 ●ハイテクゴミ箱とエコポイントを連動させた循環ビジネス
 ●水危機の到来に向けた「水を売るビジネス」の布石と死角
 ●トイレのある場所に客が集まる人間行動学とトイレビジネス
 ●ゴミを捨てると報酬がもらえるハイテクゴミ箱の開発市場
 ●テイクアウト業界がマイカップサービスを始める本当の理由


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2009.8.17
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

■この記事に関連したバックナンバー
 ●ロハスに向けて流行る量り売り商法にみる小売店の新たな役割
 ●水割り1杯でいくら儲けるのかを追求したショットバー経営
 ●水危機の到来に向けた「水を売るビジネス」の布石と死角
 ●「いつものやつ」をリピート販売するコーヒー業界に学ぶ
 ●モノを売ることから転換する脱物質化ビジネスモデルの胎動
 ●デジタル時代の置き薬商法、超流通ビジネスの仕組みと収益構造