地球に優しい環境ビジネス
  
Top > 地球に優しい環境ビジネス
  地域の市民団体が活動をしていくにも“資金集め”は重要な課題だが、米国では民間企業がそこに目を付けた市民団体向けの収益化プログラムというものがある。これは各団体のオリジナルグッズを制作して、それを活動の賛同者に購入してもらおうとするものだ。
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter

RDF

Google

WWW を検索
JNEWS.com を検索
地域の団体をビジネスパートナーとして
販路開拓する企業戦略
written in 2006/12/21

 「不登校の子供達にスポーツの楽しさを教えたい」「地域のゴミ問題を解決する団体を作りたい」など、営利目的ではなく、社会的な使命感を持って立ち上げるべき地域の活動は多い。それをボランティアとして行なうか、正式なNPO組織として活動するかは様々だが、いずれにしてもまず最初にぶち当たる壁が「活動資金をどのように集めるか?」という問題だ。

営利事業として会社を立ち上げるのであれば、銀行からの融資を受けたり、株主を募ったりという資金調達の道があるが、非営利団体の活動にはそれがないために国の助成金を受けたり、個人や企業から寄付金を募るというのが一般的だろう。しかし、何の実績もなく、どれだけ真剣に活動するのかわからない団体に対して善意の寄付をしたいと考える人は、それほど多くない。たとえ非営利の活動でも、資金調達についてはすべてを善意に頼ろうとするのではなく、もっと自立した考えを持たなくてはならない。資金繰りができない団体は、たとえ非営利であっても継続的な活動をすることができないのだ。

じつは募金に頼らずとも、資金をうまく集める方法はある。地域の子供達を集めた少年サッカーチームの運営(経営)ならば、チームのロゴをあしらったTシャツを作り、支援を希望する人たちに購入してもらうのだ。Tシャツを買った人たちは、少年サッカーチームのサポーターとして、試合の時だけでなく、ふだんでも着用すればチームの宣伝活動にもつながる。「一口1000円の寄付をお願いします」というよりも、「Tシャツ1枚3000円ですがいかがですか」の方が協力しやすくなるはずだ。Tシャツ程度は買っておいても特に損にはならないし、少年チームはその売上から得られる利益を活動資金に充てることができる。

この方法は特別なことではなく、地域の祭りで法被や提灯を購入することや、スポーツチームがグッズを売ることなど、どこでも目にするおなじみの手法だ。特にTシャツのような身の回り品なら誰でも普段使うもののため、どうせ買うなら営利の小売店から購入するよりも、少年チームなど非営利団体から購入してやろうかという気持ちになる。

ここで着目しておきたいのは、Tシャツメーカーの側から見た視点で、Tシャツを売る(卸す)ための販路として、従来の小売店ルートの他に、非営利団体ルートというものが存在しているという事実である。Tシャツに限らず、あらゆる商材やサービスでも、このルートを新たな販路として活用することが可能だ。非営利の団体(NPO、アマチュアのスポーツチーム、趣味サークルなど)が資金集めのために何か商売をすることが、欧米では「ファンドレイジング」と呼ばれていて、営利企業ではそこに資金集め用の商材やサービスプログラムを提供することが、新たな市場として拡大している。
地球に優しい環境ビジネス一覧へ

この記事の核となる項目
 ●資金集めに頭をひねるNPOと、そこに着目する営利企業
 ●グッズ販売によるNPO団体の資金調達例
 ●欧米におけるファンドレイジング向け卸売市場
 ●非営利団体向け資金集め用商材の流通ルート
 ●NPOの人脈を活用したクーポンプログラム
 ●スポーツ団体発行のバリューカードによる割引サービスの仕組み
 ●営利企業にとっての社会貢献活動のあり方と市民団体との連携モデル
 ●株価対策としても取り組みが急務になる企業の社会貢献活動


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2006.12.21
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

■この記事に関連したバックナンバー
 ●NPOと企業の協業がもたらす社会貢献型ビジネスの視点
 ●企業がNPOと手を組む社会貢献マーケティングによる販売戦略
 ●寄付金集めのプロとして活躍するファンドレイザーの役割
 ●世の中に貢献する社会起業家の使命と、それぞれの収益構造
 ●消費者の購買力をバックに力を増す共同購入グループ
 ●営利企業の商圏を脅かす非営利団体と有償ボランティアの影響力