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消費者には知らされない 有害建材の実態と健康リフォーム業界 |
written in 2005/7/14
アスベスト(石綿)による健康被害が全国で取り沙汰されているが、病気の潜伏期間が15〜40年とかなり長いために、いま発覚した被害者がアスベストを吸引していたのは1970年代のことと推測できる。アスベスト生産量の推移をみると、1970年代〜90年代前半までが高いことから、被害者がこれから増えてくることが予測できる。アスベスト(石綿)は一般の住宅やビルの建材としても広く使われているため、今からアスベスト被害を完全に食い止めようとすることは難しいだろう。
しかし建設業界では、1970年代から既にアスベストの危険性が指摘されていて、1975年には吹付けアスベストの工事が禁止されている。ところが、その後もアスベストの使用が全廃されることはなく、住宅建材の中で使われてきた経緯がある。建設業界に詳しい人ならば、最近の報道を見ても「何をいまさら騒いでいるのか」という感があるはずだ。ビル解体業者はアスベスト建材の解体作業が危険であることは熟知していても、その分だけ高い単価が取れる仕事のために引き受けてきた。ただし現場の解体作業にあたる労働者には、その危険性が伝えられていないことが多いのだが。
アスベストに限らず、建物の中にはたくさんの危険が潜んでいる。近頃では、住宅建材の中に含まれる化学物質の影響によって起こるシックハウス症候群が深刻化しているが、その原因を家人が突き止めて改善することはなかなか難しい。そこには健康住宅へのリフォーム事業が成り立つ余地があるのだが、それを本業としていくためには、業界内で様々な障壁を乗り越えていかなくてはならない。
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●リフォーム業者の採算構造について
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JNEWS LETTER 2005.7.14
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