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自動成長するオンライン英単語学習ドリルの
仕組みと可能性
事例研究:eTango
written in 2000.8.23

 インターネットの普及が社会の国際化を急速に押し進める中で、英語教育市場も同じく市場を急拡大させている。特に大企業では、英語の能力を新規採用や昇進時の重要な判断基準とする傾向が高まり、英語能力を判断する指標となるTOEICや英検の受験者数もビジネスマンを中心に急増している。

 英語教育市場の中には当然「インターネットを利用した英語学習」も含まれるが、インターネットの特性を十分に活用して効果的かつ楽しく学べる英語学習サイトというのは国内には未だ少ない。これは技術力やコストの問題から優れたコンテンツが生まれにくいのではなく、コンセプトやアイディアの欠乏が起因していると考えて間違いないだろう。

 そんな中で、英単語を暗記することを目的としたオンライン単語帳「eTango」という国内サイトのコンセプトと仕組みがおもしろい。ランダムに出題される英単語の意味を4択クイズとして次々に答えていくというシンプルなサービスだが、このコンセプトや機能の延長線上にはビジネスとして十分に成立するだけの魅力が潜んでいる。


単語学習をテーマにした英語コミュニティ

 “eTango”は英単語を効率的に覚えようとする国内ユーザーのために提供されているサイトであり、古くから、学生が暗記したい英単語を単語帳にまとめて反復練習した学習方法をネット向けのデジタルコンテンツとして応用したものである。

eTango / eTango(iモード版)

 同サイト内には4段階の難易度(TOEIC 300程度、470〜600、600〜800、800以上)に分類された英単語がデータベース化されていて、各ユーザーがレベルを指定すると、ランダムに英単語が出題され、表示された英単語の意味を4択形式で回答できる「4択クイズ」と、表示された日本語の意味に該当する英単語のスペルを入力する「記述クイズ」の2種類を学習することができる。

<4択クイズの出題例>

 ◎次の英単語の意味に最も近い日本語を選択してください

  問題:curtail【動詞】

  回答選択肢:・切り詰める ・資格を与える ・〜を除く ・溶ける 

 ※正解は「切り詰める」


<記述クイズの出題例>

 ◎次の日本語を表す以下の文字数の英単語は何でしょう?

  問題:別に取っておく

  回答欄:e○○○○○○       ※正解は「earmark」

 各ユーザーはこれらの問題を自分の学習時間に合わせて無制限に解くことができる。また出題される4択の内容は毎回異なるように設定されているために、同じ問題を繰り返して飽きてしまうことがない。更に、eTangoは昔ながらの紙ベースの単語帳とは異なり、下記のようなデジタル化された便利な機能を備えているのが大きな特徴である。


<●単語毎の正解率表示>

 出題される各英単語には、すべてのユーザーが回答した際の正解率データが表示されるため、その単語に対して自分が他のユーザよりも苦手なのかそうでないのかの判断をすることが可能。また、過去に自分が同じ単語を回答している場合には、自分のみの正解率も表示される。


<●出題単語の停止機能>

 反復学習を繰り返していると完全に覚えてしまった単語も増えてくるが、それらの単語は「出題の停止」ボタンを押すことによって以降は出題されなくなる。これにより、未だ習得していない苦手な単語ばかりを短時間で効率的に学習することができる。


<●新単語の登録機能>

 出題される単語データベースにはユーザー側からも新単語を登録することができる。各ユーザーが自分の習得したい英単語を登録画面から入力すれば、数日後には問題データベースに反映されて、ユーザー全員がその問題を活用できるようになる。


<●辞書検索機能>

 出題される単語は外部の辞書サービス(goo英和辞書、アルク英辞郎)とリン
クされているために、単語の意味がわからない場合には1クリックで詳細を確認することができる。


<●復習メール機能>(重要機能)

 eTangoによる一日の単語学習を終える際には、自分が不正解だった単語のみが自動的にリスト化され、自分宛にメール送信する「復習メール機能」がある。毎日継続して学習する中で、日々の復習メールを保存しておけば、自分の苦手単語リストとして効果的な暗記学習に利用することができる。


eTangoの運営スタイル

 ネット上の英単語学習コンテンツとしては他にはない独自性と優れた機能を持つeTangoだが、じつは同サイトはたった一人で運営されている個人サイトである。サイトオーナーであり管理人の伊藤一徳氏(31歳)は、自らが英検1級合格を目指していることからパソコンを活用した効果的な学習方法を模索していたが、仕事でperlのプログラミングをしていたことと、学生時代から自分が苦手な英単語をデータベース化していたことから4択クイズのコンセプトを思いついた。

 そこで1999年11月下旬にeTangoを立ち上げ、最近では利用者も増えたことから単語毎の正解率データから単語の難易度も把握しやすくなり、語彙力習得のための有効度は日増しに高まっている。

 eTangoサイトへの現在のアクセス数は1日あたりのユニークユーザー数で 500〜1000人、iモードサイトでは100〜1000人、復習メール機能を利用しているメール登録者は3200人という規模だが、近頃、多数のメディアからお勧めサイトとして紹介されていることからアクセスが急増している。

<●eTangoの運営コスト>

 個人サイトであるeTangoの運営コストは驚くほど低い。サーバー環境として、UNIXサーバーのホスティングサービスを利用しているために、月額3000円のサーバーレンタル料のみが毎月の運営にかかる費用。ページ制作やプログラミングは伊藤氏自身が担当しているためコストはかからず、必要な作業量は単語追加作業(週1〜2回)として1日1時間程度、機能追加作業(2ヶ月に1回)として1機能につき5時間程度、その他にユーザーからのメール返信処理が毎日の作業となっている。

 英単語の出題パターンはランダムに作成される仕組みにより、日々の更新作業にそれほど手間をかけなくても、アクセスする度に異なる問題が作成されるのが工夫されている点だ。

 近頃は国内のネットビジネスでも運営予算の肥大化が加速していて、少なくとも数千万円規模の予算がなければ満足なサイトを立ち上げられないと言われる中で、軽微なコストの個人サイトとしてここまで充実したサービスを提供しているケースは最近では珍しい。



ビジネスモデルとしての可能性

 eTangoが考案した単語学習機能の仕組みは他分野での学習にも応用が効くものだ。現在は、縦軸に「英語をテーマ」、横軸に「4択クイズをテーマ」とすることで英単語学習コンテンツを提供しているが、縦軸のテーマを「その他の語学学習」「漢字」「資格試験」と拡大することによっても可能性は広がる。

 そして、同サイトのもう一つの優れている点として、会員の囲い込み方法に着目しておきたい。一般的な学習コミュニティ・サイトではユーザーがサービスを受ける際に会員登録を促すが、eTangoでは各ユーザーの不得意単語が網羅された「復習メール」を発信する際のアドレス登録によって違和感なくユーザーを囲い込むことに成功している。

 英語教育関連企業からは、eTangoの復習メール利用者は質の高い見込み客として評価されるために、復習メール内に広告掲載枠を設けることによってもビジネスが成立する。今のところは復習メールへの広告掲載はおこなっていないが、会員数が目標数値に到達した段階で、実際に広告挿入をする計画がある。

 更に、eTangoが大きなビジネスモデルとして期待されているのはモバイル環境からの利用である。もともと「通勤中でも手軽に単語学習がしたい」という発想から生み出されたサービスであるため、iモードを中心とした携帯端末からの利用に適した内容に仕上げられている。こちらは具体的に通信会社との間で有料コンテンツとして課金する契約が進行中とのこと。

<利用されることで自動成長するeTango>

         ┌──────────┐
         │● www.eTango.org  │
   ┌─────│・英単語データベース│←────┐
  復│     │・会員ユーザーの蓄積│     │
  習│     └────┬─────┘     │・新単語の登録
  メ│          │           │・単語難易度の
  ││          │英単語の       │   精度向上
  ル│          │反復練習       │・ユーザー別の
  送│   ┌────┬─┴──┬────┐   │ 苦手単語リスト
  信│   ↓    ↓    ↓    ↓   │
   └→[利用者][利用者][利用者][利用者]─┘

 今後の eTangoは個人の単語帳に近い形の“My-eTango”として発展させることと、ユーザー同士の連携を深めたコミュニティ的なコンテンツへと発展させていく予定だ。既に同サイトの将来性に着目した一部のベンチャー企業からは、提携のオファーも届いているようだが、オンライン上の暗記ドリルという新しい学習コンテンツに潜んでいるマーケットは確かに大きい。海外では同じコンセプトのサイトを見つけることができないが、反復学習を得意とする日本人だから生み出せたコンテンツということもできるだろう。


■JNEWS LETTER関連情報
 JNEWS LETTER 99.10.7
<ネット社会が拡大させる英語学習市場とその業界構造>
http://www.jnews.com/mem/back/1999/199910/j991007.html
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 2000年8月23日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
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