自動車メーカーも着目する医師専用コミュニティの媒体価値

JNEWS
JNEWS会員配信日 2015/5/30

 製薬会社でも、最近はコンプライアンス(法令遵守)が厳しくなり、昔のような派手な接待で、医師向けのセールスをすることが難しくなっている。MRを雇うための人件費も、1人あたりの平均年収が約1千万円と高額なため、コスト的にみても非効率なことから、オンラインで医師との関係を築くスタイルへと変化してきている。

そこに着目したビジネスで成功している老舗的なIT企業が、ソニーのグループ会社として2000年に設立、2004年に株式上場をした「エムスリー(m3.com)」の存在だ。

同社は、医師専用のオンラインコミュニティとして、日本国内で20万人以上の医師を会員(65%が勤務医、35%が開業医)として獲得している。コミュニティの中では、医療の専門ニュースを無料で入手できたり、医師同士が実名で交流できる掲示板、医師向けのオンラインセミナーなども行われている。

収益の柱としているのは、製薬会社の医薬品情報(広告)を医師向けに配信することで、1社あたり年間で1億円近い料金(広告料)を払っている。医師に広告を読ませる仕掛けとして、製薬会社からのメッセージを開くことでポイントが蓄積され、希望の景品や、アマゾンギフト券、楽天ポイント、航空機マイレージなどと交換できるようになっている。



また、エムスリーのコミュニティ内では、医師をターゲットとしたい一般企業が広告を掲載することも可能で、自動車メーカーや不動産会社が主な広告主となっている。料金は、自動車広告の場合でおよそ60万円/月と高いが、広告のクルマに興味があれば、最寄りのディーラーで試乗ができる誘導もされている。

医師の自動車購入意欲は、一般の消費者よりも高く、検討している価格帯も 500万円以上の割合が高いため、高級車メーカーが集客をする媒体としては適している。不動産についても同様で、エムスリーの会員医師は、30~40代で5割を占めていることから、ちょうどマイホームの購入世代と重なっている。

エムスリー(m3.com)

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