セドリ副業からプロバイヤーへの転身と中古買取り市場
地域のリサイクルショップでネットの相場よりも安く売られている商品を見つけて、ヤフオクやメルカリで転売する「セドリ」は、誰でも手軽に始められる副業として人気が高い。セドリの歴史は古く、1970年代には古本屋を巡回して、価値のある本を見つけては、他の古本屋に転売する副業が存在していた。当時は、ネットや商品データベースなど無かったためライバルは少なく、古書の価値に詳しい人であれば、それで生活していくこともできた。
しかし、現在では中古品の価格相場を簡単に調べられるようになり、転売差益を狙える商材は少なくなっている。運良く見つけたとしても、すぐにライバルが出現して利益率は切り下げられていくため、労力のわりにセドリは儲からない。
一方で、中古品を再販するリユース市場は年々成長しており、大手のリサイクルショップ各社は業績を伸ばしている。その要因は、全国に展開する店舗に加えて、eコマース事業の売上が伸びているためだ。
中古の楽器、家電、家具などを中心に扱うハードオフコーポレーション(2674)では、2020年8月から公式のECサイトを「オフモール」という名称にして、各店舗の在庫商品をネットから検索、購入できるようにしている。EC事業の売上は、前年比で127%に急成長しており、公式アプリの月間利用者数も、2021年3月は22.5万人、2022年9月は36.1万人と伸びている。
■中古通販のオフモール(ハードオフ)
この他にも、カメラのキタムラ、コメ兵、ゴルフパートナーなど中古品のEC事業に力を入れる企業は増えており、消費者は店舗に行かなくても、ネットで毎日の入荷情報をチェックすることで、お買い得品を購入することが容易になっている。
リユースECの成長に伴い、中古品相場の共有も進むため、転売差益を狙える商材は少なくなり、セドリ副業者も次のビジネスモデルに移行していく必要がある。
個人が、大手リユース業者と同じ市場で利益を得るのは難しいことだが、攻略の糸口は「商品買い取り」の部分にある。中古品のECプラットフォームが普及してくると、適正な価格設定なら黙っていても、良い商品は売れるため、売れ筋商品を独自のルートで入手すること(買い取り)が勝負になってくる。
大手業者は、従来の店頭買取に加えて、宅配買取や出張買取で売れ筋在庫を増やそうとしており、リユースビジネスは「買い取りビジネス」としての競争が激化してきている。しかし、大手業者にも弱点はあり、個人がプロバイヤーとして活躍できる隙間が存在している。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・セドリ副業からプロバイヤーへの転換
・急成長する中古スマホの買取市場
・中古スマートフォンの流通ルート解説
・多様化する買い取りサービスの動向
・大手リサイクルショップの買取仕入内訳
・大手買い取り相場からみた顧客の不満点
・無店舗バイヤーとしての開業モデル
・買い取り比較サイトを活用した買い取り手法
・買い取り比較サイトの問題点について
・ヴィンテージ品バイヤーとしての起業モデル
・日本製中古レンズを狙う海外バイヤー
・海外で成長する高級中古委託販売店の収益構造
・円安を追い風にしたスモール輸出ビジネスの立ち上げ方
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2023.1.26
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