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サプライチェーン混乱でひっ迫する倉庫投資の着眼点

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JNEWS会員配信日 2022/12/22

 商業不動産を扱う投資家の中では、オフィス物件から倉庫物件への乗り換えが検討されている。これは、リモートワークの普及でオフィス面積の縮小が進む一方で、倉庫についてはサプライチェーン混乱の需要がひっ迫していることが関係している。

特に、eコマースの在庫保管や配送の拠点に適した小規模な倉庫が各地で求められており、廃業して次の用途が見つからない店舗などを、倉庫として再生するビジネスも注目されている。

オンライン販売の売上は伸びてきたものの、大型倉庫を借りるまではできない中小業者の悩みを解決するのがシェアリング倉庫の形態で、在庫保管のスペースと荷積み用設備、簡易オフィスなどを複数のクライアントで共有することにより、1社あたりが倉庫にかける費用を軽減させることを目的としている。

2016年にサンフランシスコで創業した ReadySpacesは、米国とカナダで32か所の共有倉庫を展開している。この業態は、シェアリングオフィスの倉庫版としてイメージするとわかりやすい。

同社が開発する共有倉庫は、250~5000平方フィート(約23~465平米)までの広さで極小、小型、中型、大型の倉庫タイプがあり、電源ユニット、Wi-Fi、荷積み用のフォークリフト、パレットジャッキなどの設備、簡易的なデスクワークができるスペース、打ち合わせ用の会議室などを設置して、メンバーは24時間年中無休で利用できるようにする。倉庫内には常勤するスタッフも居るため、保管在庫のセキュリティ面も安心できる。

倉庫の賃料は、物件の立地によっても異なるが、モデルケースとして1000平方フィート(約92平米)あたりの基本賃料は1700ドルで、その中には電気代、ネット回線代、フォークリフトのレンタル代なども含まれている。同サイズの専用倉庫をクライアントが独自に借りて、同じ設備を揃えれば、最低でも月額2800ドルのコストがかかるため、シェアリング倉庫のメリットは大きいと、同社は説明している。

ReadySpaces
■シェアリング倉庫の紹介映像

専用倉庫と比較したシェアリング倉庫の利点は、短い契約期間(月単位)で利用することができるため、中小のeコマース業者が売上の変動に応じて倉庫スペースを短期で変更していきたいケースにも適している。ある程度の売上規模に成長したEC企業でも、特定の場所で1ヶ所の大規模倉庫を持つよりも、小規模な物流拠点を複数作るほうが、顧客への配送日数を短縮できる利点もある。

シェアリング倉庫に対するニーズは、これまではトランクルームを在庫の保管先としてきた中小のEC業者や、個人の副業者の中で増えており、今後の市場が拡大していくとみられている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・インフレ下で積み上げられる商品在庫の特性
・需給がひっ迫する倉庫物件への投資
・米国倉庫の平均賃料と空室率の推移
・小規模シェアリング倉庫の開発モデル
・コロナ禍で成長するセルフストレージ事業
・国内トランクルーム事業の買収モデル
・物流2024年問題とファントム需要損失について
・急増する米国小売業の返品動向
・返品訳アリ商品を激安販売するショップの台頭
・即日配送を実現させるフルフィルメント施設への投資

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