ソロキャンパーを狙うアウトドアビジネスの開発視点
都会の日常を離れて、自然を満喫できる時間を楽しむアウトドア市場はキャンプを中心として急成長している。米国で500ヶ所以上のキャンプ場をフランチャイズ展開する Kampgrounds of America (KOA)の年次ポートによると、2021年には米国世帯のおよそ7割が、アウトドアを楽しむキャンパーであることを自認するようになっている。
日本でも、旅行業界はコロナ禍で壊滅的な打撃を受けたが、キャンプ場だけは需要が伸びている。最近では冬でもキャンプ場の利用者は多く、その中では一人でキャンプを楽しむソロキャンパーも増えている。
日本オートキャンプ協会が発行する「オートキャンプ白書 2022年」によると、2021年のキャンプ人口は750万人だが、コロナ禍ではクローズ中のキャンプ場も多かったことから、前年比では23%の増加となった。キャンプ場の平均稼働率はコロナ前には15%前後だったのが、2021年は20.4%にまで上昇している。もともとキャンプ場は、平日と週末の繁閑差が大きい業態だが、週末に限定すれば人気施設の稼働率は80~90%にまで伸びており、数ヶ月先まで予約が取りにくくなっている状況だ。
キャンプ用品の売上高をみても、コロナ前には年間500億~700億円で推移していたのが、2021年には約1000億円にまで伸びている。これはキャンプ初心者が新規で道具を揃える需要が伸びていることや、ネットのキャンプ動画に触発されたキャンパーの購買欲が高まっていることが理由で、一人あたりの年間購入額も平均で7.1万円、年間20万円以上を購入する層も10%近くいる。
最近はキャンプ場までは自動車で行く「オートキャンプ」が主流のため、キャンプに適したマイカーへの買い換え需要までを含めると、さらに市場規模は大きなものになる。
キャンプの人気は、欧米や日本の他に、韓国や中国でも高まっていることから、一時的なブームではなく、長期的に継続すると予測する業界関係者が多い。その要因としては、新型コロナの感染リスクが完全にゼロとはなりにくいことに加えて、気温上昇により山間部でのレジャーや自然体験が注目されていることが挙げられている。そのためキャンプに関連した市場では、従来型のキャンプ場に限らず多様なアウトドアサービスを開発することが可能で、異業種からの新規参入も増えている。
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