アスリートが収益源とするスポーツNFTの販売モデル
NFT(非代替性トークン)は、それぞれが固有で世界に1つしかないトークンととして鑑定書や所有権の記録に適しており、希少性の高いコンテンツやコレクション分野での活用が検討されている。先行事例が多いのはデジタルアートやゲームキャラクターの分野だが、スポーツアスリートの新たな収益源としてもNFTが注目されている。
NFL史上最高のクォーターバックと言われながら引退したトム・ブレイディ氏と起業家のリチャード・ローゼンブラット氏が共同創業者となり、暗号投資家から1億7000万ドルの資金を調達して2021年8月に開業した、「Autograph(オートグラフ)」は、人気プロスポーツ選手のデジタルコレクションをNFT化して流通させること目指している。
このプラットフォームには、タイガーウッズ(ゴルフ)、デレク・ジーター(野球)、ウェイン・グレツキー(アイスホッケー)、大阪なおみ(テニス)などの有名アスリートが多数参加しており、彼らのサイン入りNFTや特別イベントへの参加権などが、それぞれ数量限定で販売されている。
サインNFTは、色紙にマジックで書かれたものではなく、デジタルで描かれた肖像画などのアートに、アスリートが1つずつ直筆でデジタル署名しているため、各エディションによって筆跡が微妙に異なっている。たとえば、タイガーウッズの「Tiger Woods Platinum Signed」は、限定100エディションが各250ドルで発売され、デジタルサインの他に、タイガーウッズと交流ができるコミュニティへの参加権も含まれている。
物理的な形が無いサインに250ドルを払うことには抵抗があるが、本人の直筆であることが証明されている点では、紙のサインよりも信頼性が高く、二次市場での転売がしやすいため、新しいコレクションの形となっていく可能性がある。
■Tiger Woods Platinum Signed(Autograph)
その他にも、スポーツNFTの売り方には、実物のサイン入りユニフォームやボールを偽物とすり替えられないように封印した後、NFTで取引履歴と所有者を管理していく方法もある。
同じく、スポーツ分野NFTマーケットプレイスを展開する「EX-SPORTS」は、2020年に亡くなった伝説のサッカー選手、ディエゴ・マラドーナの遺族が所有するユニフォーム、サッカーボール、トロフィーなどの遺品コレクションをNFTで本物認証したオークションを2021年11年にドバイで開催したところ、合計79,000ドル(約900万円)で落札された。その中でも、1984年にマラドーナがイタリア1部セリエAチームのナポリに加入する際の契約書にサインしたSTデュポン製のペンには、26,000ドル(約330万円)の落札値が付いている。
■EX SPORTS PRE-LAUNCHES FIRST DIEGO MARADONA DIGITAL COLLECTIBLES
■オークション映像
このようにスポーツNFTは、多様なグッズをコレクター向けデジタルアイテムとして商品化することができる。それらの方法を大別すると、「完全デジタルアイテムとして販売」「実物コレクションをNFTとリンクさせる」「高額のコレクションをNFTで分割所有する」などが考案されている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・アスリートの新たな収益源となるNFT
・多様なスポーツNFTの収益モデル解説
・観戦チケットの付加価値を高めるNFTの仕組み
・暗号業界と慈善団体との接点について
・暗号資産で資金を調達する海外NPOの動向
・医療業界に導入されるブロックチェーン取引
・ブロックチェーン開発人材の育成と年収水準
・テクノロジー再編で進化する近未来の買い物スタイル
・デジタル資産としての価値を高めるチケット市場の変革
・暗号業界から浮上するWeb3.0ビジネスへの変革トレンド
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