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職場ドレスコード変革による新アパレル事業の開発

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JNEWS会員配信日 2022/7/25

 仕事中の服装がビジネススーツからカジュアルに変化していることは、世界に共通したトレンドである。世界的な人材サービス会社のRandstad USが2019年8月に行った調査によると、従業員の33%は職場でのカジュアルなドレスコードを望んでおり、年収が5000ドル増えるよりもカジュアルな服装で出勤できることを望むと回答している。特に、20~30代の若い社員ほど自由な服装を好む傾向が強く、それが求人の応募件数や、仕事のパフォーマンスにも影響してくる。

is it time to modernize your company's dress code?(Randstad)

ビジネスパーソンのワークスタイルは、コロナ禍によっても大きく変化して、週に数日の出勤、自宅からのリモートワーク、クライアントとのビデオ会議など、それぞれのシーンによって適切な服装の基準(ドレスコード)が求められるようになっている。出勤をする際にも、満員電車を避けた自転車通勤者が増えていることから、以前のように「スーツと革靴」が機能的な服装は言えなくなっている。
米国では、カジュアルを基本とした服装でも、仕事のシーンによって以下のような使い分けがされるようになっている。

《ビジネスカジュアルの主な分類》

  • ボードルームカジュアル
    役員会のような格式の高い会議に出席する時の服装。男性はブレザーとボタンダウンシャツを基本として、場所によってはネクタイ、女性はスカーフを着用することで好印象を与えられる。
  • ビジネスカジュアル
    通常の会議やセミナーへの出席、クライアントなどの商談に適した服装。ボタンダウンシャツと、カジュアルなベスト、セーター、タートルネック等の組み合わせもある。男性のパンツはチノパンの他にデニムを着用することも可能。女性向けには、ビジネスカジュアルに適したブラウスやパンツなど各種のアイテムが販売されるようになっている。
  • スマートカジュアル
    フォーマルとカジュアルの中間にあたる服装で、ホテルやレストランでの会食に着用して、堅苦しくはなく好印象を与えられるもの。明確なドレスコードの基準があるわけではなく、服の素材や色を選ぶ中でのセンスも重要になる。
  • リラックスカジュアル
    日常的なデスクワークやリモートワークに適しており、顧客とのビデオ会議にも対応できる服装。ビジネスカジュアルの服装に加えて、ゴルフウェアも仕事用の服として人気が高まっている。
  • カジュアルドレスダウン
    オフィス内の整理や現場作業が多い日の服装としては、Tシャツやスエットの着用も認められる。ジムでエクササイズをする時のような服装を普段着とすることはアスレジャー(Athleisure)と呼ばれるが、仕事中の服としても用途が広がっている。

企業によっても異なるが、これらの分類は明確なドレスコードとして決められたものではなく、各社員の自主的なコーディネートに任せられることが多い。投資銀行のゴールドマンサックスでは、約36,000人の社員を対象としたドレスコードの緩和を2019年3月に発表している。ただし、職場や職務内容によって、どんな服が適切であるかについては「すべての社員各自が知っている」として、具体的なルールまでは決めていない。

フォーマルなスーツが常識である金融業界で、ゴールドマンサックスの取り組みは革新的なものだが、その背景には、社員の75%以上が1981年以降に生まれた若い世代になっていることと、Fintechに代表されるようなデジタル部門と、従来の店舗部門との間の敷居を低くしたいことがある。仕事で着用する服装の変更は、外見上の問題だけではなく、組織の構造や人間関係、企業文化までを変革できる効果があり、そこから新規事業が生まれやすくなったり、業績の向上も期待できる。

こうした職場ドレスコードの変革が進む中で、アパレル業界でも新たなワークスタイルに適応して、快適で仕事の効率を高められ、周囲にも好印象を与えられるファッションを提案する新興ブランドが成長してきている。

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・ビジネスカジュアルのブランド開発視点
・SDGsを重視するエシカルブランドの特徴
・D2C型新興アパレルのブランド構築方法
・ワークスタイルによる靴のトレンド変化
・足の健康から見直される仕事向けの靴選び
・ハイヒールを履かなくなるキャリア女性
・リモートワーク時代の新たなファッション指針
・Z世代が牽引するスニーカー人気の拡大と二次市場
・リセールドロップオフストアの新業態
・安全に取引仲介するスニーカーイベント
・スリフティングによる節約生活と古着転売の副業ビジネス
・急成長するスニーカー再販マーケットのビジネスモデル
・D2C型で展開される新アパレルブランドの透明性と採算構造

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