JNEWSについてトップページ
デジタル変革で生じる薬局業界の再編と薬剤師の働き方

JNEWS
JNEWS会員配信日 2022/6/30

 日本で使われる医療費は年間およそ43兆円。その中で医薬品(処方薬)の割合は7.5兆円(17%)の規模がある。厚生労働省は、1990年代後半から、病院やクリニックで医師が発行した処方箋を、街の薬局に持参して購入する「医薬分業」を進めたことにより、全国にある薬局の数は30年間で1.6倍に増えた。

《国内にある薬局の数》

薬局が処方箋を持参する患者を獲得するには、病院やクリニックに隣接した立地に出店するのが効果的なため、1995年頃からは「門前薬局」の出店が増えていった。クリニックの隣に出店すれば安定した処方箋数を捌けるのが門前薬局の利点だったが、コロナ禍以降は、その成功法則が崩れてしまった。

要因は大きく2つある。1つは感染リスクを避けるため通院患者が減少していること。2つ目は、薬局に来店しなくても処方薬を購入できるスキームが急速に普及し始めたことである。厚生労働省は、薬剤師の服薬指導をオンラインで行える特例をコロナ禍で認めてきたが、2022年3月末には、正式に医薬品医療機器等法(薬機法)が改正されて、初診、再診に関わらず、すべての診療、薬剤でオンライン服薬指導が認められるようになった。これにより、患者は薬局に来店することなく、ネット経由で処方薬を入手できるようになる。

《オンライン服薬指導の要件(2022年4月以降》

  • オンライン服薬指導の方法
    初診、再診に関わらず、すべての処方箋でオンライン服薬指導の実施が可能。
  • 通信の方法
    映像と音声による対応(音声のみの服薬指導は不可)
  • 薬剤の種類
    原則として全ての薬剤が可能(ただし、注射薬や吸入薬など手技が必要な薬剤については、薬剤師が適切と判断した場合に限る。)

オンライン服薬指導について(日本薬剤師会)

同時に、医師のオンライン診療サービスと併用すれば持病の診察から薬の購入までを在宅で行えるようになる。たとえば、高血圧の潜在患者数は、国内で4300万人と言われており、血圧降下剤だけでも年間5000億円を超す市場がある。降下剤の処方には、定期的な通院が必要だったが、これがオンラインに変わると調剤薬局に与える影響は大きい。

処方薬の服用指導は、患者の症状によってオンラインと対面を切り替えていく必要もあるため、地域の調剤薬局が消滅してしまうわけではないが、デジタル対応への投資や人材育成ができない薬局は次第に淘汰され、M&Aによる業界再編が起きることが予測されている。厚生労働省でも、今後の薬局、薬剤師に求められるデジタル対応の具体例を挙げている。

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・処方薬宅配サービスの開発視点
・オンライン診療+薬宅配による無通院治療
・新たな訪問薬剤師としての働き方
・薬局再編の起点となるお薬手帳アプリの開発市場
・電子お薬手帳アプルのビジネスモデル
・米国でディスカウントされる処方薬の業界構造
・処方薬クーポン割引きサービスのビジネスモデル
・専門性を高める薬局の方向性と生き残り策
・長生きリスクを軽減する長寿投資スキームの仕組み
・高齢者をテクノロジーで支えるエイジテック企業の価値
・オンライン診療サービスのビジネスモデルと収益構造

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2022.6.30
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ


(注目の新規事業)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2022年6月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon