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ゼロ円不動産の潜在市場と無償物件の再生プラン

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JNEWS会員配信日 2022/2/25

 築年数が古い住宅は、すべての物件が買い取り対象になるわけではない。立地や建物の劣化条件により、買い取り不可となる割合のほうが高く、そうした物件はタダでも買い手が付かない状況に陥っている。総務省の統計では、全国には846万戸の空き家があり、その中の4割は賃貸や売却にも出されていない、用途が無いまま放置されている物件である。

《空き家物件の種類別割合》

平成30年住宅・土地統計調査

買い手が付かないため、無償でも譲渡したい住宅は、通称「ゼロ物件」と呼ばれて、通常の不動産取引ルートとは異なる形で、譲渡先が募集されるようになっている。

一般の不動産業者は「売買価格×3%+6万円」による仲介手数料を収入源にしているため、売買価値が低い物件は扱ってもメリットが無い。しかも、売主は物件の不具合に対して瑕疵担保責任を負う法的義務があるため、デメリットだけが生じてしまう。そこで、物件を有償販売ではなく「無償譲渡」することで、売主の責任を回避するのがゼロ物件の取引スキームになっている。

《家主が空き家を無償譲渡するメリット》
 ○家を維持するためのコストを解消できる。
 ○解体費用を負担しなくて済む。
 ○固定資産税の徴収から逃れられる。
 ○有償販売した場合の責任を回避できる。

「みんなの0円物件」は、空き家を無償譲渡したい家主と、欲しい人とをマッチングしているマーケットプレイスで、個人家主からの物件登録に加えて、地域の自治体や金融機関とも連携して、空き家問題の解決に取り組んでいる。利用者は、物件の掲載料や取引成立時の仲介手数料が発生せずに、無償での不動産取引を行うことができる。ただし、譲渡契約の締結~所有権移転までのサポートを受けたい場合には、165,000円の「おまかせプラン」が用意されている。

みんなの0円物件

空き家に関心がある人にとって、無償で物件を取得できるのは魅力だ。しかし、入手してもリフォームが困難だったり、業者に依頼すれば高額の修理費がかかったりするなど、不動産のプロでも売却を諦めた物件が大半を占めるため、独自の再生ノウハウやプランを持っていなければ、0円物件を活用することは難しい。
それを理解した上で、掘り出し物を探して価値を再生できれば有意義なビジネスになる。

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