JNEWSについてトップページ
デジタル資産としての価値を高めるチケット市場の変革

JNEWS
JNEWS会員配信日 2022/3/21

 いわゆる「資産」と言われるものの中には、不動産や貴金属などの「実物資産」と、預貯金や株式などの「金融資産」の2種類に大別されるが、それに加えて最近では「デジタル資産」が新たな価値を生み出していることは、過去のレポートでも度々書いている。

ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨はその具体例だが、同じブロックチェーン技術から派生する「Non Fungible Token(NFT:非代替性トークン)」の市場も急成長してきている。NFTは、有形または無形の資産にある固有の所有権を、デジタルで証明する技術であり、これが普及すると、希少性のあるモノや著作物がデジタル資産としての価値を高めることができる。

※非代替性トークン=商品1つずつの固有性(非代替性)を証明するトークン

 わかりやすいNFTの活用例として注目されているのが、イベントの入場券として発行されるチケットの分野だ。もともとイベント業界には、チケットの偽造や不正転売を防ぎたいというニーズがあるが、使用済みのチケットもコレクションの対象になれば、イベントに参加すること(チケット購入)の付加価値を高めることができる。音楽業界では、ファンが購入したアルバムの中にNFTチケットを組み込むこともできるため、アーティストの収益構造を変革できる可能性が期待されている。

2016年に米オースティンで創業した「Oveit」は、イベント主催者や音楽アーティスト向けにNFTチケットの発行機能を開発しており、300枚までのチケット販売を1人のスタッフで管理する場合には無料、最大25000枚までのチケット販売を5人のスタッフで管理する場合にも、月額199ドルの定額料金で提供している。

イベント参加者が購入したNFTチケットは、ブロックチェーンの電子ウォレットで保管できるが、オプションサービスとしてICタグが組み込まれたリストバンドと連携させることも可能だ。このリストバンドを手首に付けてイベントに参加すれば、会場内でのグッズ購入をキャッシュレスで済ませたり、NFTで権利を獲得した限定ファンがステージ裏の見学やバンドメンバーの楽屋に入れる電子パスとしても活用できる。

■リストバンド型NFTチケットの紹介映像

Oveitから発行されるチケットは、会場内の座席マップとも連携できるため、従来のように「S席」「A席」という大まかな料金プランではなく、座席番号によってすべて異なる料金を設定して販売することができる。チケット有効期限の設定も「1日限定」だけでなく、複数回に設定できるため、1週間を通した野外イベントや、年に数回開催するコンサートにすべて参加できる年間パスの発行にも適している。

Oveit

その他にも、チケットの価格を開催日までの日数によって変動させたり、公式な転売ルールを組み込むことで、ファン同士の二次売買を可能とした電子ケットも実用化されるようになっている。

NFT化されたチケットには抽選機能を組み込むことができるため、イベント終了後の参加者の中からプレゼント当選者を決めたり、次回イベントの割引特典を与えたりして、ファンとの関係を持続することもできる。さらに、抽選機能の活用が期待されるのが、合法的に販売されている「宝くじ」の市場である。

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・NFTで価値を高めるチケット市場
・NFTチケットで形成される二次流通市場
・NFTチケットによる宝くじ販売の変革
・元金を失わないNFT宝くじの仕組み
・トークンによる会員制レストランの開業モデル
・NFTレストラン会員権の仕組み
・アバター制作による成功事例●
・NFTアバターによる収益構造の解説
・トークン販売によるフランチャイズ事業の展開
・暗号業界から浮上するWeb3.0ビジネスの変革トレンド
・アバターを分身として行動するメタバース経済圏の特性

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2022.3.21
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ


(注目の新規事業)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2022年3月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon