2022年以降は世界の金融機関が協力して、脱炭素に取り組む企業に対して積極的な資金提供を行いながら、投資家がリターンを得られる仕組み作りが行われていく。その資産運用規模は130兆ドル、世界全体の金融資産の4割に相当する。 (JNEWSについてトップページ
脱炭素マネーを追う金融ビジネスと投資チャンスの捉え方

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JNEWS会員配信日 2021/12/7

 日本の平均気温は、100年前の大正時代と比較すると約1.3度上昇した。大都市ほど上昇率が高く、東京では3.3度、大阪で2.6度の上昇となっている。気象庁と東京大学が行ったスーパーコンピューターによるシミュレーションでは、年間の平均気温が1度上昇すると、日中の最高気温が35度を超す猛暑日の数は1.8倍に増えることがわかっており、それが異常気象による災害や感染症を引き起こす要因になる。

《平均気温の長期推移(1927~2020年)》

平均気温の上昇は今後も続く見通しで、国連環境計画(UNEP)では、2100年までに世界全体では2.7度の上昇を予測しており、その時には、平均海面水面が最大1.1メートル上昇して、沿岸部の湿地は2~9割が消失する。それによって、沿岸部の浸水被害は現在の100~1000倍に上昇するなどの影響がある。日本を含めた島国では、国土の何割かが沈むことも、現実的にあり得るリスクとなっている。

《温暖化が進行した2100年の予測》

地球温暖化の進行を抑えるには、世界各国の協力が必要であり、国連気候変動枠組条約の加盟国(197ヶ国)を集めた国際会議は定期的に開催されている。その26回目として、英国のグラスゴーで2021年10月に開催された「COP26」では、世界の平均気温を産業革命前(1900年頃)との比較で、1.5度以内に抑えることが努力目標として掲げられた。今回の会議では、金融業界の温暖化対策への取り組みが強化されたのが特徴である。

具体的には、世界の金融機関が参加する「グラスゴー金融同盟」が設立されて、脱炭素に向けた新技術を開発する企業に対しては、積極的な資金提供を行いながら、リターンが得られる仕組み作りを強化していく。逆に、環境負荷の高い企業には、資金供給を絞ることにより、金融面からカーボンフリー社会を実現させるスキームを稼働させていく計画だ。

グラスゴー金融同盟には、45か国で450以上の銀行、保険会社、投資会社などが加盟して、その資産運用規模は、130兆ドル(約1京4,800兆円)、世界全体の金融資産の4割に相当する。そのため、民間企業にとっても、脱炭素を意識したビジネスモデルの改革や、新製品の開発を進めていくことが、資金調達の条件として重視されていくことは間違いない。

《脱炭素に向けた金融スキーム》

機関投資家の投資方針により、カーボンニュートラルを推進する企業の株価が上がりやすい仕組みについては、2021.9.24号で解説したが、今後は株式や投資信託から仮想通貨までが、今後は「脱炭素」の影響を受けながら相場変動していくことが予測されている。

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・省電力化が進む仮想通貨の技術トレンド
・高騰するCO2排出量取引市場の仕組み
・排出量取引相場の推移
・カーボンクレジットを収益化するCO2吸収事業
・CO2吸収事業への投資方法
・株式市場が牽引するカーボンニュートラル経済の特性
・脱炭素社会が向かう資源インフレの方向性

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