2022年4月には成人年齢が18歳に引き下げられる。それにより18歳以降は親の承諾なしで各種の契約ができるようになるため、金融業界では新成人向けの投資口座の開発を商機と捉えている (JNEWSについてトップページ
成人年齢引き下げによる18歳成人の価値観と新市場

JNEWS
JNEWS会員配信日 2021/12/24

 2022年4月からは、これまで20歳だった成人年齢が18歳に引き下げる民法の改正が行われる。それにより、18歳から親の承諾なしで様々な契約を結べるようになり、多くの業界で10代の顧客を獲得しやすくなる利点がある。たとえば、携帯業界では、10代をターゲットにした他社からの乗り換えキャンペーンが加熱したり、一人暮らし向け賃貸アパートの需要が伸びたりすることが予測されている。

《成年年齢引き下げの概要(2022年4月施行)》

民法(成年年齢関係)改正 Q&A(法務省)

その中でも、金融業界は成人年齢の引き下げを大きなチャンスと捉えており、10代向けのクレジットカードやローン商品も増えてくることが予測される。貸金業法では、年収の3分の1を超える貸付が禁止されているため、無収入の大学生に対する融資は難しいが、月額10万円のアルバイト収入がある場合には、その12ヶ月分(120万円)の3分の1(40万円)までの融資が可能になる。

これまで日本では、奨学金を除いて20歳未満の学生ローンは未開拓の市場だったが、今後はスマホから手軽に申し込みができるローンサービスも増えてくる見通しだ。ただし、ローンの乱用は学生の多重債務者を増やすことにも繋がるため、業者によっては慎重な姿勢をみせている。

その一方で、投資に関心の高い若者の中では、10代から証券口座を開設して資産運用する者も増えることが期待されている。米国では、Robinhood(ロビンフッド)のような投資アプリが若者から人気化しており、1300万人以上の顧客を獲得している。コロナ禍では、巣籠もり時間が長くなったことで、株式投資に関心を持つ若者が増えて、Robinhoodの新規顧客は300万件増加した。

日本では、SMBCコンシューマーファイナンスが学生を対象に行った「10代の金銭感覚についての意識調査2021」によると、大学生の65%がアルバイトやフリマアプリなどで収入を得ており、平均で21.6万円の預貯金がある。投資をしているのは全体の8.3%だが、投資に前向きな大学生の割合は48.1%と高いことから、今後は決済アプリやSNSと連携して、少額から投資ができるサービスへの商機が見込まれている。

《大学生が関心の高い投資分野》

10代の金銭感覚についての意識調査2021

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2021.12.24
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ

この記事に関連したJNEWS会員向けバックナンバー
クレジットカードを使わない若者層の決済と購買特性
フィンテックが狙う多重ローン利用者向けの貸金ビジネス
Z世代から支持される新興ブランド展開と小売店の新たな役割
米証券業界を席巻するロビンフッドのビジネスモデル
令和世代の起業スタイルとギグエコノミーによる収益構造
※バックナンバー用ID、PASSWORDを入力してご覧ください。


(注目の新規事業)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2021年12月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon