入院する際には身内が保証人となる必要があるが、それを頼める先の無い高齢単身者が増えている。そこで入院保証人の代行業者が全国的に増えているが、その料金体系には問題点もあり、健全なサービスへの再構築が求められている。(JNEWSについてトップページ
孤独社会で求められる単身者の入院身元保証人サービス

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JNEWS会員配信日 2021/9/6

 日本人の平均寿命は、終戦後の男性50.0歳、女性53.9歳から継続的に伸びておおり、2020年には男性81.4歳、女性87.7歳と世界最高水準になった。しかし、新型コロナの影響により、これから数年間の平均寿命は若干下がることが予測されている。

2021年8月末の時点で、累計の感染者数が3900万人、死者数が63万人を超している米国では、2020年の平均寿命は、男性が前年比で1.8歳減(74.5歳)、女性が1.2歳減(80.2歳)となったことが、米疾病対策センター(CDC)によって発表されている。これだけ平均寿命の下げ幅が大きかったのは、第2次世界大戦以来のことである。2021年1月~6月の1日あたり死亡者数をみても、心臓病、ガンに次いで、コロナは第3位の死因となった。

《米国1日あたりの死亡者数(2021年1月~6月)》

KFF analysis of CDC mortality and KFF COVID-19 tracker data

日本では、米国ほどの影響はまだ出ていないものの、心の中で死生観が変化している兆候はあり、弁護士、司法書士、行政書士などの元には、遺言書や相続の相談が増えている。

さらに身近な話では、コロナに感染して入院が必要な時には、身元保証人を誰に頼むか、という問題もある。現代では、少単身世帯の増加により「身寄りのない人」が、高齢者を中心に増えているが、入院時には、緊急連絡先となって各種の手続きを代行したり、本人の判断能力が十分でなくなった時に、医療行為の同意をする人が必要になる。

この問題に対しては、入院や介護が必要になった時の身元保証人を代行するサービスが登場してきている。国もその動向は把握しており、代行サービス自体は違法ではないが、どのような料金体系で、どこまでの身元保証の責任を負うのかは曖昧であり、契約者との間でトラブルが増えているのも事実だ。

人間はいつか必ず亡くなることを漠然と意識しながら生きているものだが、新型コロナのパンデミックは、そのイメージを鮮明にしているため、遺言、相続、医療行為の事前指示など、終活全般の市場で変化が起きている。

【身元保証代行業の仕組みと業界構造】

 全国にある医療機関のうち9割は、患者に家族がいることを前提として、手術などの医療行為を行う同意書のサインや、入院費用の支払いについての連帯責任を負う、身元保証人を求めている。しかし2020年の時点で、65歳以上の独り暮らしは約700万人、高齢世帯の22.4%にまで増えていることから、保証人を頼める身内がいない、身内はいても頼りたくない、というケースが少なくない。

《一人暮らし世帯の推移(65歳以上)》

こうした家族構成の変化により、入院時に求められる、身元保証人の代行サービスが10年程前から成長して、日本国内で100社以上の業者が存在している。サービスの仕組みは、初期費用として入会時に30~100万円超を預かり、以降は月額管理費として1~2万円を徴収することで、入院や介護が必要になった時の「保証人」を引き受ける形となっている。しかしこの業界には問題点を抱えている面があり、サービスを再構築できる商機が潜んでいる。

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