電車やバスで通勤をしていた人の中では、感染リスクを下げるために、マイカー通勤を希望する人は増えている。主要都市のロックダウン中は自動車の販売台数は大幅に減少したものの、今後のマイカー需要は伸びていくことが予測されている。 (JNEWSについてトップページ
アフターコロナの世界で変化するマイカー所有の価値観

JNEWS
JNEWS会員配信日 2020/6/5

 電車やバスなど公共交通機関で通勤をしていた人の中では、感染リスクを下げるために、マイカー通勤を希望する人は世界で増えている。主要都市のロックダウンにより、2020年5月までは自動車の販売台数は大幅に減少したものの、ロックダウン解除後には、マイカー需要は伸びていくことが予測されている。

欧州を拠点として、世界90ヶ国を対象とした市場調査会社の「Ipsos(イププソス)」が、2020年2月末に中国の消費者(1620名)に行った調査によると、現在は自動車を所有していない消費者の中で、自分や家族のためのマイカー購入の必要性を感じている人は、コロナ前と比較して72%上昇している。

一方で、今後も公共交通機関を利用したいと回答した人は、コロナ前よりも57%減少した。タクシーやカーシェアリングよりも、自分専用の空間で移動ができるマイカーのほうが、感染リスクは低いと考えている。

《コロナ前後によるマイカー所有の価値観(中国)》

中国ではコロナショックによって、2020年2月の新車販売台数が80%減少した。
自動車メーカーにとって、中国は世界最大のマーケットであり、そのまま消費者のマイカー購買意欲が減退すれば死活問題になるが、同調査の結果に基づくと、これまで「マイカーは不要」とする考えを抱いていた、20~30代前半の若い消費者の中で、コロナを転機として「マイカー所有」に前向きな価値観へと変化している。

この傾向は、中国以外のマーケットにも共通する指針として、自動車メーカーにとっては好材料といえるが、コロナの副作用によるネガティブ要因も業界内では指摘されている。在宅勤務や外出自粛の風潮が今後も続くことになれば、既にマイカーを所有している世帯では、走行距離が減ることになるため、車の買い換えサイクルは長くなる。さらに、家族毎に複数のマイカーを所有していた世帯では、台数を減らすことも考えられる。

中古車市場には、走行距離が少ない車両が多数流通するため、これまでは新車を乗り継いできたオーナーも、程度の良い中古車への買い換えを検討するようになる。これは新車の販売台数を落とすことに繋がり、自動車メーカーにとっては痛手だ。

コロナ不況で所得が減少した消費者は、できるだけ少ない金銭負担でマイカーを所有できる形態を求めるため、今後はリースやサブスクリプション型の販売手法が増えていくことも予測されている。

《新型コロナによる自動車業界の影響》
・車に興味が無かった消費者のマイカー所有率は上昇する
・オンラインでの車購入スタイルが増える
・既存のマイカーは走行距離が減少する
・マイカーの買い換えサイクルは長期化する
・マイカー複数台所有の世帯は台数を整理する
・程度の良い中古車の供給量が増える
・高級車よりも安価で多用途に使える車が求められる
・リースやサブスクリプションによるマイカー利用も増える

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JNEWS会員レポートの主な項目
・変化するマイカー所有の価値観と購入方法
・感染リスクを避けて増える自転車通勤者の動向
・通勤経路の自転車利用率を増やす考え方
・自転車通勤者を増やす英国メソッドの解説
・コロナ後に高級自転車が売れる理由について
・盗難防止駐輪設備の開発とレンタルモデル
・通勤バスの社会距離を保つソリューション開発
・通勤者削減ソリューションの着眼点
・通勤手段を最適化するMaaSアプリの仕組みと収益構造
・公共交通サービスを再編成する配車アプリのビジネスモデル

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