新型コロナウイルスの流行以降「非接触」をキーワードとしたサービスが次々と考案されている。デリバリーサービスの受け取りでも、配達員と家主が直接的に接触することなく、荷物の受け取りをすることで、双方の感染リスクを減らしている。JNEWSについてトップページ
感染対策として開発される非接触型サービスへの業態転換

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JNEWS会員配信日 2020/3/13

 新型コロナウイルス(COVIT-19)の経済的な影響は各所に及んでいる。各地で開催予定だったイベントは軒並み中止となり、消費者は外出をしなくなっていることから、この状態が半年も続けば、多くの事業者が経営を存続させることが難しくなる。具体的なダメージを受けている業界は、小売店、飲食店、旅館・ホテル、フィットネスジム、イベントの興行主、歯医者、美容室、学習塾など多岐にわたる。

たとえば、日本のフィットネス市場は、ジムやスクールに通う利用者数が月間延べ2,000万人で、会費収入や施設内での飲食、物販なども含めると、年間の市場規模は約3,400億円になる。この業界も利用者の高齢化が進んでおり、大手スポーツクラブの会員年齢層は、50歳以上が5割以上を占めるようになっている。そのため、感染予防を意識した退会者の増加、新規入会者の減少など、直接的な影響を受けやすい。

《フィットネスクラブ「ルネサンス」の会員層》

飲食業界の売上減少も、2020年2月からの3ヶ月間で50~80%減と予測している。
中小の飲食業者は、もともとの利益率が低いことから、長期の赤字に耐えられるだけの経営体力が無い。従来の売上水準に対して、家賃と人件費が約4割を占めているが、売上が半分に減少すれば、それらの固定費を払っていくことができない。

《飲食店の平均的な経営指標》

また、学習塾の業界でも通常授業を行うことが難しくなっている。毎年2~3月は来年度の生徒を募集する時期とも重なるため、このタイミングで休校とすることは、年間を通した売上の獲得機会を逃すことになる。しかし、子どもの健康と安全を第一に考えると、しばらくは教室での授業を再開することが難しい。

【中国で考案される非接触型サービス】

一方、中国では、COVIT-19の流行以降、「非接触」をキーワードとしたサービスが次々と考案されている。宅配便やデリバリーサービスの受け取りでも、配達員と家主が直接的に接触することなく、荷物の受け取りをすることで、双方の感染リスクを減らしている。

具体例として、中国内の主要都市で地域業者と提携して日用品や食品のデリバリーサービスを展開する「Meituan-Dianping(美団点評)」では、消費者がオンライン注文する際の宅配方法として「非接触配達」の選択肢を設けている。注文者は配達員とスマホアプリで連絡を取りながら、指定の場所(アパートの玄関前など)で対面接触をせずに、商品を置いたらそのまま帰ってもらう方式である。

同社の発表によると、1月26日から2月8日までの期間で、中国全域のデリバリーサービスで「非接触配達」を選択した利用客は、全体の80%以上を占めており、感染被害が深刻な武漢市は95.1%と最も高い。買い物の外出も控えようとする消費者は多いため、美団点評のデリバリー注文数は前年比で4倍以上に増えており、野菜、果物、卵、肉などの生鮮品、スナック菓子、マスク、消毒剤などの注文が多い。

さらに美団点評では、非接触配達の安心感を高めるため、配達員の健康チェックや配達用バイクの消毒などを定期的に行い、その履歴を顧客がトレーサビリティとして辿れるようにしている。

Meituan-Dianping(美団点評)

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JNEWS会員レポートの主な項目
・中国で考案される非接触型サービス
・無人化するコンビニ店舗の方向性
・フィットネスジムの細菌感染リスクついての研究
・仮想化するフィットネスジム業界の動向
・自宅とジムを接続するライブトレーニングの仕組み
・AIコーチによるパーソナルトレーニング
・COVIT-19がシェアリング経済に与える影響
・パンデミック最前線で働くギグワーカー
・パンデミックで働く買い物代行の報酬体系
・医療現場を崩壊させない新型コロナウイルス政策
・中国に依存するサプライチェーン破綻の構造と影響度
・新型ウイルスの二次感染を防ぐ遠隔診療ビジネス動向

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