キャッシュレス決済と電子棚札で変わる未来店舗の輪郭
2018年末からクレジットカード以外のスマホ決済は急速に増えており、小売店や飲食店の中でも、楽天ペイ、PayPay、LINE Payなどの決済を導入する店舗は増えている。消費者にとって、スマホ決済はクレジットカードよりもポイント還元率が高いことから、店舗にとっても「○○ペイ対応」の看板を掲げておくことは、顧客を逃さないための策になってきている。
さらに、2019年10月からは消費税率10%への引き上げと連動して、キャッシュレス決済による消費者還元事業(ポイント還元)が、国策としてスタートする。これは、中小の小売店でキャッシュレス決済による買い物をした消費者に対して、5%のポイント還元がされる仕組だ。
ポイント分の原資は、国の補助金として支給されるもので、消費増税分(2%)よりもお得感があるため、消費者は現金払いよりも、キャッシュレス決済に対応した店舗を優先して利用する動きは加速するだろう。
■キャッシュレス・消費者還元事業(経済産業省)
公費による消費者還元事業は、2019年10月~2020年6月までの9ヶ月間に限定されたものだが、キャッシュレス決済の全国的な広がりを契機として、実店舗のハイテク化は一気に進むとみられている。これからの小売店舗が生き残る道は、スマートフォンと連携した未来型ショッピングを目指すもののと、ネットでは得られないアナログ体験として、付加価値の高いリアルサービスを追求していく方向へと、二極分化していくだろう。
※アマゾンが開発する未来型店舗「Amazon Go」
その中で、前者の未来店舗への設備投資額は、年間成長20%以上のペースで伸びていくことが予測されている。現在、コンビニ、スーパーチェーンや量販店などに設置されているPOSレジだけでも、20万台以上の規模があり、これが無人対応のセルフレジに切り替わることでも、大きな市場が形成されることになる。
セルフレジ1台あたりの価格は250万円前後が相場で、1店舗で複数台を設置すれば1千万円以上の設備投資になる。月々のメンテナンスやバージョンアップのコストもかかるため、店員の人件費削減を目的とするだけでは投資額を回収することは難しい。キャッシュレス決済や店舗のオートメーション化は、消費者に便利なショッピング体験を提供すると同時に、売上高や利益率の向上をもたらすものでなくてはいけない。
店舗の未来化に向けては、従来型小売業からのビジネスモデル転換が必要になるが、そこでは、ネットと同じ値動きで販売価格を変動させるダイナミックプライシングや、スマホアプリと連動したポイントシステムなどを充実させる仕組みが開発されてきている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■JNEWS会員レポートの主な項目
・電子棚札(ESL)で変わる店頭価格
・電子棚札の導入コストと費用対効果について
・欧州で先行する電子棚札導入の動向
・中国製ESLの性能と調達コストについて
・欧州店舗で導入される中国製ESLの流通ルート
・AIが店内画像を分析する棚割ソリューション
・スマートフォンと連携させる小売店の方向性
・店舗を歩いてポイント報酬を稼げるアプリの仕組み
・ポイント報酬による集客と費用対効果
・キャッシュレス社会で起きる電子マネーデノミネーション
・人手不足を解消するセルフレジ導入の課題とテクノロジー
・Z世代から生まれる新たな買い物習慣と新興ブランド
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2019.7.10
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