地域連携インターンシップの開発とコーディネーターの役割
産業構造や就業構造が変化していく中で、学生の頃から色々な職場体験をさせることは、新たなキャリア教育としても重要視されるようになっている。求人をする企業側でも、積極的にインターン生を受け入れることが、優秀な人材を獲得することに役立つ。そこで、インターンシップによって、学校と企業との橋渡しをする「インターンシップ・コーディネーター」という職業が注目されている。
教育的効果が高く、企業の採用活動としても役立つプログラムを開発~運用していくことが、インターンシップ・コーディネーターの役割で、欧米では、大学や高校からの委託を受けて活動をしたり、企業がインターンシップを実施する際のプロジェクトリーダーやコンサルタント役として参加することもある。インターンシップの成果は、応募者の数、参加者の成績、正社員としての採用率などのデータで確認できるため、専門職としてのスキルが認められやすい。
日本でも、地域の自治体が主催するインターンシップ事業の中で、専任のコーディネーターが配置されるようになっている。たとえば、群馬県では県内への就職者数を増やす目的で、大学生、短大生、専門学生を対象とした「Gターンシップ」というインターンシップ制度を運営し、コーディネーターがインターンの受入先となる群馬県内の企業を開拓している。
また、鳥取県では「鳥取県インターンシップ推進協議」を2015年に設立して、県内企業への就職を促す「とっとりインターンシップ」を実施している。こちらは、大学1年生から参加できるのが特徴で、約130社の県内企業がインターン受入先として登録している。これまでは無給のインターンシップが主体だったが、2018年からは長期有給インターンシップの取り扱いもスタートさせて、県外から参加する学生に対しては交通費の1/2(上限3万円)、宿泊費の1/2(1泊あたりの上限4,100円)の助成も行う。
この有給インターンシップは、春休みや夏休み期間を利用して参加できるもので、清酒製造や減農薬栽培など、都会にはない仕事を体験することもできる予定だ。
コーディネーターは、学生に仕事の選び方をアドバイスしたり、実習中の巡回サポートや、トラブルが起きた時の解決までを担当する。
働き手が減少している地方の中小企業にとって、実際の職場を体験してもらい、都会の会社とは違う仕事の楽しさ、やり甲斐を感じてもらうことは、有意義なリクルート活動になる。ただし、中小企業が単独でインターン生を集めることは難しいため、地域の自治体、経済団体、高校や大学が共同でインターンシップの開発を進めていくことが重要になる。その連携を取りまとめて、具体的なインターンシップの運営にあたるのが、コーディネート業者の役割になる。
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