VRゲームの感覚で職能訓練ができる職業シミュレーターの開発は、建設業、製造業、運送業などの現場で需要が高まっている。シミュレーターを利用することによりトレーニングに没頭する時間が長くなることが実証されている(JNEWS
ゲーミフィケーション化される仕事とシミュレーター開発

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JNEWS会員配信日 2018/11/1

 企業が新人を採用して、業務に精通した人材として育成するのにかかる期間は平均でおよそ3年と言われている。もちろん、職種や仕事の内容によっては、それ以上の年数に及ぶこともあり、人材育成にかかるコストは高額になる。その内訳には、人材採用時のコスト、新人研修の教材費や講師の人件費、研修施設の設置や運営にかかる費用、教育期間中の新人社員に支払われる給与などが該当して、3年間で少なくとも1人当たり1,000万円近くがかかる。

さらに、高齢社会で人材が不足している「医師」の育成費用は、1人あたり1億円以上と言われている。私大医学部の授業料は6年間の総額が平均3,200万円だが、その他にも、国の補助金、寄付金などで医学教育は賄われており、日本私立医学大学協会では、学生1人あたりの医学教育経費を年間1,833万円(6年で10,998万円)と算定している。


加えて、医師免許取得後は、2年間の「初期研修」が義務化されており、その後に専門医としてのスキルを習得する「後期研修」として3~5年が費やされているため、医師が一人前になるまでには、1億円を遙かに超す教育費用が投じられていることになる。

また、製造業や建設業の現場で不足している専門技能者の育成にも長い時間がかかる。建設躯体工事に関わる、鳶工・鉄筋工・型枠工などの技能者は、2009年の有効求人倍率が1.53倍だったのが、2017年には9.62倍にまで上昇。業界全体の高齢化が進んでいる一方で、10代~20代の入職者希望車が非常に少ないことも、人手不足に拍車をかけている。

こうした状況の中では、若い人達に各職業への関心を持ってもらい、効率的に仕事のスキルを学べる仕組みを作ることが重要になる。その具体策として、バーチャル・リアリティ(VR)のテクノロジーを活用した、職業体験や職能訓練ができるシミュレーターが注目されている。これからの“新人”となる10~20代は、スマホやビデオゲームに慣れ親しんだ世代であり、職業訓練もゲーム化することで、人材育成の費用対効果(ROI)を高めることができる。


※職業訓練用シミュレータを専門に開発する「WorksiteVR Simulator」

航空会社に導入されているフライトシミュレーターは1基あたり数億円するが、訓練に参加できるのは難関を乗り越えた一部の人材に絞られている。
一方、VRゲームとしてのフライトシミュレーターは、ヘッドセットとソフトウエアをセットにしても10万円程度で購入することが可能で、その完成度はかなり本物に迫ってきている。そこでパイロットを養成する航空学校や航空会社でも、VRゲームを採用して訓練コストの引き下げと、訓練にトライできる人材の間口を広げている。

これと同様の試みは、他の職種にも応用することが可能で、上手に行えば求人応募者を増やすことと、人材育成コストの引き下げ、両方の効果を高めることも可能だ。既に海外では、特定の業界や職種にフォーカスしたVRシミュレーターを開発する会社が登場して業績を伸ばしてきている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・医療業界のVRシミュレーター開発動向
・職業訓練シミュレーターの未開拓市場
・建設業界向け訓練シミュレーターの開発と販路
・職業訓練シミュレーターのローコスト開発手法
・シミュレーターに使われる中核エンジンの収益モデル
・ゲーミフィケーションによるアルバイト人材の育成
・VRコンテンツ制作のプラットフォーム事業
・人工知能で消費者の気持ちを読み取る顧客体験マネジメント
・新テクノロジー社会に対応した高度職能訓練ビジネスの方向性
・成功報酬型の職業訓練業者とニューカラーワーカー育成事業
・社員の“やる気”を引き出す独立支援/のれん分け制度
・ソーシャルゲームに依存するユーザー特性と社会的報酬
・ミレニアル世代を取り込むリクルートビジネスの転換期

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