顧客の心理や感情までを把握して購買行動に繋げることは「カスタマー・エクスペリエンス」として注目され、消費者の表情、会話、メールの文章などから感情を自動的に読み取り、具体的な接客に役立てるAIシステムが開発されている。
人工知能で消費者の気持ちを読み取る顧客体験マネジメント

JNEWS
JNEWS会員配信日 2018/9/15

 スーパーやコンビニのレジでは常に「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれることがある。統計によれば、何らかのポイントカードを保有している消費者は全体の9割以上を占めているが、実際に使うか否かは別の問題である。たくさんのポイントカードを持ち歩くのは面倒であるし、スマホにポイントアプリを入れるのも煩わしい。そのため、利用するポイントカードは特典の還元率が高いものだけに厳選して、それ以外の店では敢えて提示しない顧客も少なくない。

それにも関わらず、買い物のたびに「ポイントカードはお持ちですか?」と聞くのは、顧客を不快な気持ちにさせてしまうリスクがある。もともとは、顧客満足度を高めるために導入されているポイント制度ではあるが、顧客それぞれの気持ちを考えずに、マニュアル化した接客を店員に遂行させることは、逆効果になる。

企業のマーケティングに「顧客満足度(CS)」の概念が登場したのは、1990年代からのことで、商品の利益率を多少は犠牲にしても、顧客の満足度を高める工夫をした方が、リピート率が高くなることが購買データから実証されるようになった。2000年以降はインターネットやモバイル端末の普及により、ポイント制度などの電子的なマーケティングで固定客との関係を構築しようとする手法が大流行して、現在に至っている。これは「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)」とも呼ばれている。

《CRMによるマーケティング展開例》

しかし、データベースの履歴だけでは、顧客の心理状況まではわからず、定型の販促方法が一部では不快感や嫌悪感を与えて、顧客離れを引き起こす要因になっているかもしれない。常に対面の接客をしている中小商店では、そうした事態に気づきやすいが、数万、数十万人という規模の顧客を相手にする大手の小売チェーンやECサイトでは、経営者やマーケティング担当者が、遠隔からでも顧客の心理や感情が把握できる仕組みが求められている。これは「カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント(CXM)」と言われ、関連のツールやプラットフォーム開発が注目されている。

カスタマー・エクスペリエンスは、顧客のネガティブな心理だけではなく、買い物をしている時の楽しさや、新製品を使った時の感動などを、顧客の表情・声・文章などから読み取ることで、企業は「どうしたら顧客をもっと喜ばせられるか」という、究極の課題に取り組めるようになる。

このような感情の分析は、心理学の分野では古くから研究されてきたもので、人間の基本感情は「楽しみ・嫌悪・悲しみ・恐れ・怒り」の5つに大別することができ、さらに細かな感情が枝分かれしている。そうした感情の読み取りを人工知能によって行わせて、店員やサイト担当者が各顧客にベストな接客サービスするための支援をするのが、カスタマー・エクスペリエンスの目指すところである。

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・感情分析が変革するコールセンター市場
・Watsonによるコールセンター管理システム
・顔の表情から読み取る感情認識の仕組みと活用ビジネス
・顧客体験分析プラットフォームの開発市場
・従業員体験分析で変わる企業の組織構造
・社員の“やる気”を引き出す独立支援/のれん分け制度の研究
・ネット社会の炎上が起きるメカニズムの解明と対策ビジネス
・行動経済学から導く賞罰プログラムの導入と現物賞与の活用法

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