懲罰賠償金をベースに形成されるセクハラ対策市場への着手

JNEWS会員配信日 2018/5/30

 女性の社会進出が進んだことで、男性優位だった職場環境を改めることが急務の課題になっている。その中でも、性的な言動で相手を傷つける「セクシャルハラスメント(セクハラ)」は、職場内で無意識のうちに行っているケースが少なくない。経営者や管理職の中でも、この状況を軽視している向きもあるが、男女雇用機会均等法(第11条)の中では、事業主は、セクハラ防止に必要な策を講じることが義務付けられている。

各都道府県の労働局雇用均等室に寄せられる相談内容でも、セクハラに関する相談は最も多いことから、社内の水面下に潜む被害をそのまま放置していれば、企業のダメージは決して小さくない。法務省では、セクハラが企業にもたらす損失として「職場環境の悪化」「働くモチベーションの低下」「人的損失の発生(社員が辞める)」「企業倫理の喪失」「企業イメージの悪化」などを挙げている。

また、金銭的な面でいえば、従業員からのセクハラ訴訟が起きた場合に、解決までにかかる弁護士費用や賠償金、和解金などで、企業の負担額は平均で1千万円以上とみられている。

《労働局雇用環境・均等部への相談内容(平成27年)》

法律の中で、セクハラは「職場内で性的な言動が行われ、それを拒否したり抵抗したりすることによって解雇、降格、減給などの不利益を受けることや、職場の環境が不快なものとなり、労働能力の発揮に重大な悪影響が生じること」と定義されている。それに基づき、厚生労働省の指針でも、セクハラのタイプを「対価型セクシュアル・ハラスメント」と「環境型セクシュアル・ハラスメント」の2つに分類している。

(対価型セクシュアル・ハラスメントの事例)
○事業主が性的な関係を要求したが拒否されたので解雇する
○人事考課などを条件に性的な関係を求める
○職場内での性的な言動に抗議した者を配置転換する
○学校で教師などの立場を利用し学生に性的関係を求める
○性的な好みで雇用上の待遇に差をつける
など

(環境型セクシュアル・ハラスメントの事例)
○職場内で性的な話題をしばしば口にする
○恋愛経験を執ように尋ねる
○宴会で卑猥な会話をしたり、体を触ったりするなどの行為
○特に用事もないのに執ようにメールを送る
○私生活に関する噂などを意図的に流す
など

セクハラ被害が深刻化しているのは米国も同様で、政府機関である米雇用機会均等委員会(EEOC)が2016年に行った調査によると、職場で働く女性の4人に1人がセクハラ被害を経験しているが、その90%以上は告発することなく泣き寝入りしているのが実態。また、告発をした中でも75%の女性は、何らかの報復を受けている。

EEOC SELECT TASK FORCE ON THE STUDY OF HARASSMENT IN THE WORKPLACE

セクハラ被害を受けやすいのは、職場内で立場が弱い20~30代の女性で、加害者が上席にあたる役職者であれば、社内の通報だけでは、事実がもみ消されてしまうケースが少なくない。そのため、企業は外部の専門家とも連携する形でセクハラ対策を講じていく必要があるが、これをビジネスと捉えた場合の市場規模は想像以上に大きい。それは、セクハラ被害者への賠償額が高額化していることとも関係している。

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・ハラスメント対策の専門職とワークエシック
・いじめ抑止力としての匿名通報プラットフォーム開発
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・成功報酬弁護士が掘り起こすトラブルの種と訴訟ビジネス

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