リアルとデジタルが融合するバーチャルスポーツ
JNEWS会員配信日 2018/5/22
世界のビデオゲーム市場は約300億ドルの規模がある。それに対して、スポーツビジネスの市場規模は約900億ドルとみられている。ゲームとスポーツは、それぞれ異なる市場として扱われてきたが、近年では両方の融合が進んでいる。海外では、ビデオゲームをスポーツ競技として扱う「eスポーツ」の人気が高まっていることの他に、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のテクノロジーによって、リアルなスポーツにも、デジタルの要素が組み込まれるようになってきたことが背景にある。
これは「バーチャルスポーツ」や「ARスポーツ」として、新たな市場を形成しはじめている。たとえば、日本のスタートアップ企業、株式会社meleapが開発した「HADO」は、頭にヘッドマウントディスプレイと、腕にアームセンサーを装着して行うARスポーツで、仮想のエナジーボールとバリアを駆使しながら、相手チームと闘う対戦型ゲームだ。アクティブに体を動かしながら闘うため、新種のスポーツとして楽しめる。このゲームは、日本よりも海外のほうが人気が高まっており、米国、シンガポール、マレーシアなどで大会も行われている。
ビデオゲームとスポーツを最初に融合させたのは、2007年に発売された任天堂の「Wii Sports」と言われているが、その後はテクノロジーの進化により、リアルなスポーツの中にも、電子的な機能やビデオゲーム的な要素を組み込むことが可能になっている。それに伴い、各種のスポーツ用品をIoT化させたり、新たなスポーツ施設を開発するビジネスチャンスも生まれてくる。これは国策テーマともリンクするものだ。
日本では、2015年から文部科学省の外局としてスポーツ庁が創設されて、スポーツ政策の路線変更をしている。従来、国のスポーツ政策は、“体育”という言葉に象徴されるように、教育の一環として行われてきた。しかし、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、今後はスポーツを“基幹産業”と捉え、日本の経済成長に貢献するスポーツビジネスの育成に力を入れていく方針だ。
《スポーツ庁が描くスポーツ産業の方向性》
国内スポーツ市場の主な構成は、スポーツ用具などの販売(1.7兆円)、スポーツ施設の運営(2.1兆円)、スポーツの興行・放送(1.7兆円)となっているが、高齢化によってスポーツ業界は縮小の傾向にある。しかし、スポーツの中にもデジタル技術を取り入れた、新たな楽しみ方を考案することで、子どもから大人までの広い層をターゲットに、新たなスポーツビジネスを開発していくことができる。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・バーチャルトレーニングジムの新業態
・スマートスポーツデバイスの開発市場
・スマートウエアによるアスリート育成プログラム
・シューズメーカーからIoTメーカーへの転換
・新たなスポーツ配信とファンエンゲージメント
・賭けの対象となるスポーツビジネスの方向性
・米国で人気化するファンタジースポーツの仕組み
・日本のスポーツ振興と法律規制の問題点について
・ゲームを花形職業にするeスポーツのビジネスモデル
・仮想現実の世界を体感させるVRテーマパーク
・若者を取り込む都市型スポーツのビジネスモデル
・ネット放映権を柱に再構築されるスポーツビジネス
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2018.5.22
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