就活の新たな起点となるインターンシップ開発
JNEWS会員配信日 2018/5/5
大学新卒者の求人倍率は7年連続の上昇をして、企業の求人意欲は旺盛である。
しかし、1980年代後半から1990年代前半にみられたような“就職バブル”の頃とは状況は異なっている。少子化で若者の数は減少しているものの、大学進学率は30年前と比べて 1.5倍に伸びているため、大学新卒者数は昔よりも増えているのだ。女子の4年制大学新卒者が増えたことも、近年の就職市場では影響が大きいと言われている。
そのため、いまは人材採用難であるものの、企業は簡単に内定を出すのではなく、仕事の適正能力を見極めた上で、採用者を決定したいと考えている。学生側でも、仕事の内容や職場の雰囲気を体験できる機会を望んでいる。そこで、リクルート活動の起点として、「インターンシップ制度」を導入する企業が、日本でも増えいる。日経新聞(2017/9/20)によれば、2018年3月卒の大学・大学院生が、何らかのインターシップに参加した割合は65.2%となっている。
経団連に加盟する企業では、毎年3月1日が採用活動の実質的な解禁日(会社説明会の開始)としているが、それよりも前に(大学3年の6月頃から)興味のある会社のインターンシップに参加することが、新たな就活スケジュールになっているようだ。
ただし、日本の大企業が行うインターンシップは、1日限定で職場体験ができる「1dayインターンシップ」を、複数の日程で広く行う方式が大半を占めている。
その目的は、他社よりも出遅れずに、できるだけ多くの学生とのコネクションを築くことにあり、本来のインターンシップとは目的がズレている。
一方、米国企業のインターンシップ制度は、社会貢献を兼ねた活動して、若者にとって有意義な職場体験をしてもらい、仕事に対する理解や、自分との適性を確かめられる内容になっている。その点では、日本のインターンシップ制度は未成熟な段階で、これから改良していける余地が大きい。
既にベンチャー企業の中では、1~2ヶ月間の長期インターンシップ制度を設けることで、大企業よりも先に学生との関係を築いている例もある。そこに向けては、インターンシップの仲介サイトが登場してきている。各企業のインターンシップ・プログラムを掲載して、応募する学生とのマッチングが成立すれば、約10万円の仲介手数料を企業側から徴収する仕組みだ。
インターンシップは、上手に運用すればアルバイトよりも意欲の高い学生を集めて、現場の仕事を担当させながら、正規採用へと繋げることができるが、「職場研修と労働」の線引きは難しい。仲介業者は、単純に求人求職のマッチングをするだけでなく、職業体験教育としての意義があり、学生にとっても不利益にならないインターンシップ・プログラムの設計から関わっていくことも必要になる。
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■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2018.5.5
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