ホワイトカラ、ブルーカラーの棲み分けを超えて、プログラミングやWeb開発のスキルを持つ人材を「ニューカラーワーカー」として育成するプロジェクトが米国で動いている。大卒以下の学歴者をニューカラーワーカーとして再教育することは、国の政策として重要視されている。
ニューカラーワーカーを育成する職業訓練ビジネス

JNEWS会員配信日 2018/2/28

 新たな職を探す上で、大卒以上の学歴が条件となっている仕事は多い。そのために、経済的に無理をしても大学を卒業したほうが将来の投資になる、という考えは間違いではないが、高卒だから「高年収の仕事に就けない」というわけでもない。仕事の価値(年収)は、需給のバランスよって決まるため、これから需要が伸びる職種にいち早く着目して、その道での専門技能を磨くことで、学歴のハンディを乗り越えることは可能だ。

逆に、一般的な大卒者が就くホワイトカラーの仕事は、既に供給過多に陥っており、将来的にも、自動化されたシステムに奪われてしまう職種が多くなる。現在の日本では、大卒者と高卒者との間に、40代男性で 約150万円の年収格差があるが、仕事の選び方と専門技能の習得により、高卒者でも大卒ホワイトカラー職を上回ることができる。この背景にあるのは、テクノロジーの急速な進化により、成長産業での人手不足が深刻化していることがある。

米国の求人情報サイト「CareerCast」では、大卒の学位不問で募集されている高年収の仕事として、以下の職業を挙げている。その中には、Web開発や医療系の仕事の他に、産業機械や水道配管の修理作業、電気工事などのブルーカラー職も含まれている。

《大卒学位不問で募集される人気職種と平均年収》

これから高年収を稼げる条件として、ITの新たなテクノロジーに対応したスキルを備えていることは、従来のホワイトカラー・ブルーカラー、どちらの仕事にも共通した特徴で、米国トランプ政権の中では、そうしたテクノロジー人材を、「ニューカラーワーカー(New-collar worker)」として育成しようとしている。
具体的には、高卒者に対してアプリケーション開発、サイバーセキュリティ、クラウドコンピューティングなどの職業訓練を行い、高付加価値人材に育てることである。

大企業では、これまでは大卒以上の学歴を条件に人材採用してきたが、Webサイト開発、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティなどの専門スキルを持つ人材については、高卒者でも積極的に採用しはじめている。IBMでは、米国内の拠点で働く社員の3分の1が、大卒の学位(学士)を持たない人材であることを明らかにして、ニューカラーワーカーの育成に力を入れいている。

米国が、社会人のテクノロジー教育に着手しはじめたのは、オバマ政権時代からのことだ。大卒資格を持たない人が、高年収の仕事に就くために必要な技術を身につけることを支援し、優良企業とマッチアップする「TechHire」というプロジェクトを立ち上げている。

各州にある短期大学(コミュニティカレッジ)や職業訓練施設に対して、政府が助成金を支給する形で、社会人のテクノロジー教育を、無償または安価で行うものである。企業とも提携する形で、実技指導を担当する講師を派遣してもらったり、企業からの寄付によって運営資金が賄われているカリキュラムもある。その見返りとして、協賛企業は卒業生の中から優秀な人材を紹介してもらうの狙いだ。

《TechHireのよる職業訓練の枠組み》

米国の労働市場では、学歴の他にも、人種や国籍、性別、年齢、障害などによる、雇用の格差が存在しているが、そうしたハンディを乗り越えて高年収を稼ぐための道として、社会人向けのテクノロジー教育が推進するようになってきている。
それに伴い、民間の職業訓練業者も急成長してきている。そのビジネスモデルは幾つかのタイプに分かれるが、いずれも収益の柱とする着地点が明確になっているのが特徴である。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・高卒労働者を再教育する米国「TechHire」の仕組み
・公的助成による職業訓練ビジネスの問題点
・就職後の給料分配払いによる職業訓練ビジネス
・社会人再教育とニューカラーワーカー養成事業
・米国労働者の再教育を担うコミュニティカレッジの役割
・企業とコミュニティカレッジの提携によるニューカラー育成
・ブルーワーカーからコネクテッドワーカーへ変化
・安定・高収入を稼げるブルーワーカーの特徴
・エレベーター整備士が高年収を稼げる理由とは
・就職保証型コーディング・ブートキャンプのビジネスモデル
・ロボット社会で価値を高める職業とスペシャリストの方向性
・大学へと回帰する中高年者からみる社会人の新キャリア形成

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