自動車業界のサプライヤー構造を崩すテクノロジー新興勢力

JNEWS会員配信日 2018/2/13

 日本の自動車産業は年間で52兆円を超す製品出荷額があり、国内製造業の屋台骨を支えている主力産業であることは間違いない。自動車には約3万点の部品が使われていることから、トヨタ・日産・ホンダ・マツダなどメーカーの下には、一次サプライヤー、二次サプライヤー、三次サプライヤーとして1000社以上の部品メーカーが系列化されているのが特徴である。

この階層的な業界構造は1960年代から築かれてきたものであり、業者間の序列は長年変わることなく、現在に至っている。そのためスタートアップ企業にとっては、新規参入することが難しい業界でもあった。しかし、電気自動車(EV)や自動運転などの技術革新により、状況は一変してきている。

これまでの自動車業界は、内燃機関(エンジン)の技術を専門としてきたため、ITの技術に関しては新たなパートナーを探す必要性が生じてきている。そのための投資・買収の動きは激しくなっており、完成車メーカーよりも、大手の部品メーカーのほうが、むしろ積極的な買収攻勢をかけている。

EV化が進むことで、自動車に使われる部品は、エンジンの主要部品を中心に、これまでの3分の2に減少するとみられている。単純にみれば、部品市場がそれだけ縮小することになるため、EVの制御ソフトウェアや自動運転の分野で新たな主力商品を持つことが、大手の部品メーカーが“一次サプライヤー”としての地位を守るための生命線になる。

《新たな自動車業界の産業構造》

一方、EV・自動運転で使われるテクノロジーは、無形資産(ソフトウェア等)の割合が高いことから、IT業界にとっては既存の系列化や下請け構造からは脱却したビジネスモデルも模索されている。

さらに、EVは構造がシンプルで組み立てやすいことから、新たに自動車を開発製造しようとする企業も続々と登場している。英家電メーカーのダイソンでは、掃除機で培ったモーター技術を活用して、アストンマーチンやロータスのようなEVスポーツカーを開発しようとしている。また、ヤマダ電機と船井電機は、国内EVベンチャーの「FOMM」に出資をする形で、50万円以内で購入できる小型EVの開発に参画することを発表している。

FOMM

これからの自動車産業は、基幹技術が大きく転換することにより、50年以上続いた業界構造が姿を変えるようになる。消費者のマイカーに対する価値観も変わり、メーカーは「自動車を販売することが」が主な収益源ではなくなるという予測もされている。一方、IT分野の企業にとっては、世界で200兆円を超す自動車業界への参入がしやすい状況が訪れており、EV開発、人工知能、自動運転、配車アプリなど、新たな市場が次々と生まれている。

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