優良顧客として取り込むビットコイン消費者の特性
JNEWS会員配信日 2017/11/6
仮想通貨「ビットコイン」の売買相場は、2017年12月の時点で1BTC=190万円前後で取引されている。1年前には 1BTC=7万円台だったことから、その頃に“投資”をした人ならば、資産は20倍以上に跳ね上がったことになる。ビットコインの時価総額をみても、1900億ドル(約21兆円)を超してきている。これは、フィリピンやインドネシアなど、新興国の株式時価総額よりも高い。
ビットコイン取引の大半は、自国通貨(人民元)に不安を抱えている中国人と言われてきたが、それは昨年までのことで、2017年からの上昇相場では、日本人が主な買い手となっている。仮想通貨の取引分析を専門に行っている、英ロンドン拠点の「CryptoCompare」によると、ビットコインの取引シェアは、日本が62.4%と、世界で最も高いことがわかる。
※CryptoCompare BTC Volume by Currency
ビットコインの国内取引でも、8割以上は売買差益を狙ったFX取引であり、2017年からのビットコイン高騰は、実需が伴ったものではないことを、上のデータは示している。どこかのタイミングで相場の暴落が起きる可能性はあり、投資対象とするにはリスクが大きい。しかし、日本の投資家がビットコインの人気に火を付けたことは、間接的な恩恵を生み出している。
それは、ビットコインを実用通貨として受け入れる店舗や通販サイトが増え始めていることである。たとえば、ビックカメラは 2017年7月から全店舗でビットコイン決済に対応している。使い方は、店側が用意している決済アプリに表示されるQRコードを、購入者スマートフォン側のウォレットアプリで読み取るだけだ。
すると、商品価格(円表示)がその時点のビットコインレートに換算されて、決済される。
その他にも、旅行会社のHIS(エイチ・アイ・エス)、メガネ量販店のメガネスーパーなどでも、ビットコイン決済を導入しはじめている。店舗がビットコイン決済に対応することの利点は、コスト面で、クレジットカードよりも決済手数料が安いことがあるが、それにも増して大きいのは、購買意欲の高いビットコイン消費者を取り込めることである。彼らは、余裕資金としてビットコインを保有しており、しかも、最近の相場高騰で大幅な含み益が出ているため、気前が良くなっている。
ビットコインは現金(円やドル)に両替することもできるが、手数料分が目減りすることなるため、ビットコインで買い物ができる店を物色している。そこに、小売業者が対応することは新たな優良客の獲得に繋がる。
これからの世界経済は、各国の法定通貨で管理される「実体経済」と、政府の管理が及ばない「仮想経済」の両方で形成されることになり、ビットコインを中心とした仮想通貨による取引が、国境を越えて行われるようになる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■JNEWS会員レポートの主な項目
・ビットコインユーザーの特性と分類
・風が吹くと桶屋が儲かる法則(ビットコイン市場で儲ける業界)
・節税対策としてのビットコイン活用策
・店舗向けビットコイン決済の仕組み
・ビットコインマイニング(採掘者)の実態
・仮想通貨を保有するための3つの方法
・リモートワーカー向けビットコインによる賃金システム
・水面下で成長するビットコイン経済圏
・ビットコインだけで生活する人達の台頭
・誰もが独自通貨を発行できる「ビットコイン 2.0」の運用モデル
・ブロックチェーンで資産価値を高める共有台帳システム
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2017.11.6
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
これは正式会員向けJNEWS LETTER(2017年11月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。